罰則
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からなぁ。あのじゃがいも――軍隊組織論ってのは無駄なの授業なのかと思えてくる」
「無駄ではないと思う。軍隊が組織だって行動するのは大切なことだ」
「でも、実際しゃべられても意味がわかんないよね」
「確かにそれは……む」
小さく笑うアレスの言葉に、またっとスーンが呆れたように苦笑する。
そこでフェーガンが何かに気づいたように、小さく目を開いた。
「すまない。少し失礼する」
慌てたように走り去る。
さすが実技成績で常にトップクラスだけあって、かなり早い。
少なくともアレスでは追いつけないだろう。
突然の行動に驚いていたスーンが、説明を求める視線をアレスに送った。
「どういうこと?」
「ああ。さっきまで宿題の話をしていたからな。何か思いついたんだろう」
「罰則まで貰ったんだね」
「ああ。授業の改善意見についてレポート用紙100枚だそうだ」
「それは御愁傷様。急ぎたくもなるね――で、アレスはいいの?」
「俺か。そうだな、何か適当に書いて怒られるさ」
「それをキースが聞いたら、激怒しそうだよね」
「そもそも改善意見を要求したのは俺じゃないからな」
苦笑して見せたアレスは、いまだ理解できていなかった。
その夜に起こる出来事――真面目な馬鹿の恐ろしさを。
深夜二時。
「すまない、アレス。修正した課題ができたのだが、また見てもらえないだろうか」
「何回目だよ、俺まで寝かせないつもりか」
「うるさいよ。アレス、宿直の教官に見つかるよ」
「それなら他の部屋からここに来る、キースに言えよ」
「すまない。だが、これくらい窓を伝えば簡単だ。誰にも見つかっていない」
「おまえ、ここ十三階だぞ」
「問題ない」
「俺が問題あるわっ!」
「だからうるさいって……寝かせてよ」
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