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生きるために
第一話 便利屋スコール&ハティ
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別に裏稼業だからとかではないが何となくそう思うだけ。
簡単に言えば被害妄想である。





支度のために一度自分の部屋に戻る。
服もこんなだらけた用ではなく、管理局ならばもう少しまともな服装にしなければいけないし、ハティの調子も見とかなければいけない。
と言っても、デバイスに関しては無免だが。

「それにしてもお互い長いな。ここまで生き汚いとはな」

『それを言うならば、私は貴方があの戦争で生き残るとは最初は思ってもいませんでしたよ』

「へぇ……最高どんくらい生き残ると思ったんだ?」

『普通に一日か。もしくは最高で二、三日だと思ってましたね』

そりゃ酷い、とは思わない。
自分でも偶に何で俺、今生きているんだろ? とかなりマジで思ってしまう事が多々ある。
それもナチュラルに食事中とか、歩いている時とか、眠ろうとしている時である。
仕事中ならともかく日常でこうなる事があるのだから、本当に運で生き残った感が強い。

『あの戦場で怯えに怯えて震えていた子供が、まさかの戦場に適応するタイプとは……運が良かったですねぇ』

「それは喜んでいい事なのか?」

『適応できなかった貴方の兄弟とも言える子供はほぼ死にました』

そりゃそうだな、と適当に答える。
でも、殺し殺される戦場に適応できるのと、出来ないのでは常識としてはどっちが真っ当だろうかなどと思うが、心底どうでもいい。
昔の人はいいことを言った。
曰く、生き残った者が勝ちだと。
さっきの高町なのはとかの情報が正しければ、彼女達は自分達がもっとしっかりしていれば、などと後悔するのだろうか。
成程、人間としてはそっちの方が正しいのだろう。
少なくともそのアクションは万人に受けるだろう、と捻くれた考えしか生まれないが。無論、善人側の万人だが、
だが、残念ながら自分は彼らを助けられなかった、とかもっとしっかりしていればなどという後悔は微塵も思っていない。

だって、別に彼らの人生は俺の物じゃないんだし。






「いやー最近の交通は便利ですねー。何せ、盗んだバイクではないバイクを乗ってここまで走ればあっという間に着くっていうのは冗談ですし、別に便利でも何でもないんですけど」

「そうかそうか。いきなり扉を蹴り開けたかと思ったら、そのまま思いっきり靴を投げてきたお前の台詞か。とりあえず、大人としての冷静な助言を言わせてもらうが、頭大丈夫か」

『その割には普通に予見していたかのように躱していらっしゃいましたが。どうせなら、マスターの靴は私が貰いたかったという本音は隠しますが』

毎度の雰囲気を生み出しながら、自分はゲンヤさんの執務室にいる。
それにしても流石は管理局。
毎度のことながらお部屋がお美しい事。
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