第一話 便利屋スコール&ハティ
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て中身がない事に気づく。
無意識的に飲み干していたらしい。
仕方がないので、コップを置いてサンドイッチの始末にかかる。卵サイコー。
『マスター。卵に熱中する愛らしい姿は私にとってご褒美なのですが仕事は結局、どうするのですか?』
「んーー? その戯言は機嫌がいいから無視するが、最近は管理局系受けてないしなー。そっちで行くかね? ちなみに、どんな系だ、フェイ」
「移送、護衛、訓練。ちなみに訓練の願いはお前と仲がいいおっさんだ」
「ゲンヤさんか。っていうか、移送はまだしも護衛って何だ。明らかに便利屋に任せる領分じゃねえだろうがとまでは言わないが、そこまで人手不足かよ、管理局」
「いや、そっちもお前と仲がいい無限書庫のインテリ君のプライベート」
「ユーノか……うーーん。結構、悩むなぁ……っていう事は護衛っていうのは……」
「遺跡探索での護衛だな」
うーーん、とハティと目を合わせる。
いや、デバイスに目などないが気分の問題である。
「よく有給取れたな、とか、今日は無限書庫は地獄であるというツッコミは置いとくが……」
『前回は酷かったですものね……巨大岩石や棘がついた天井が落ちてくるとか普通。AMFが発動したと思ったらマグマが流れてくるわ。トラップによるバインド地獄に落ちたかと思えば壁が凄い勢いでこちらを押しつぶしに来るわ。一息ついて座ろうと思ったら何の脈絡もなく毒ガスが出るわと地獄ツアーでしたものね……』
「そして、もっとも怖かったのは深奥に近づけば近づくほど、凄い笑顔になる奴の研究心が恐ろしい……辿り着いたかと思えば速攻爆破というふざけた警報に転移で逃げようとしたら「何言ってんのさ!? 君が死んだところで遺跡が戻るわけじゃないんだよ!? 死ぬんなら先にここにある遺物を全部回収してから笑いながら死んでよ!? 僕は後で空に向かって浮かんでくる君の笑顔を内心でうざっって思いながら泣くからさぁ!」って……あそこまで言われたら最早痛快だわ……」
そして、最後には純粋にありがとうと言ってくるので性質が悪い。
何で、こんな大物が自分の伝手をゲットしたのだろうかと思えば、それこそゲンヤさんが休暇の時のユーノの危険性を出来る限り減らすために俺の情報を教えたらしい。
考えたらむかついてきた。
「よっし。じゃあ、今日はゲンヤさんの仕事をしてやろう。ついでに一発入れてやる」
「はぁ……俺も仲介屋仕事長いが……社会を舐めている糞餓鬼め。ぜってー、まともな死に方せんぞ」
「そりゃ面白い。俺とお前、どっちがまともな死に方になるか賭けるか?」
「賭けんでもわかるわ」
「だな」
答えは簡単。
普通に生きれば普通に死ねそうだが、死ぬ時はどっちも真っ当な死に方ではないと思う。
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