第二幕その七
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くれたマイスターの方はおられなかったの?」
「それは悪いことではない筈なんだが」
項垂れた顔になって言うザックスだった。
「彼の前では誰もが小さく感じる程だった」
「それじゃあ」
才能がある、そうとしか聞こえない言葉だった。
「やっぱり」
「あの誇り高き騎士殿は行くままにさせるべきだ」
こうエヴァに告げるのだった。
「世界の何処でも戦っていくことのできる方だ」
「何処でもなの?」
「そうさ。我々が苦心して学んだもので息を入れている間に行ってしまう」
やはりヴァルターの才能は認めていた。
「だからあの方は何処かで花を咲かされるべきだ。ここでは積み上げられたものを蹴散らさなければいいのだからね」
「じゃあつまりよ」
いい加減頭にきて言い返すエヴァだった。
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