第五十三話
[8]前話 [2]次話
第五十三話 雅美の使い魔
雅美が家に帰り玄関を開けるとすぐにワラビとケムンパスが来た、二匹は雅美の前に来て尻尾をぱたぱたとさせて言ってきた。
「お帰りなさい、ご主人様」
「塾はどうだったかしら」
「ええ、いい感じだったわ」
自分の愛する使い魔達に笑顔で応える雅美だった、そのうえでこう言うのだった。
「あのクラウンの娘達とも会ったわ」
「ああ、あの娘達ね」
「バンドで対決した」
「いい娘だったわ」
かつてはライバルだったが今は、というのだ。
「とてもね」
「それはよかったわね」
「私達も会ったしね」
「あんた達もって?」
「そうなの、一度クラウンの双子の娘達のお家に行ってね」
「あそこの使い魔の子達とお話したのよ」
そうしたとだ、二匹は雅美に話す。
「犬と猫のね」
「その組み合わせだったわ」
「犬と猫だったわ私と一緒ね」
雅美は二匹の話を聞いてすぐにこう考えて言葉に出した。
「それだと」
「甲斐犬とスコティッシュフォールドだったわ」
ワラビが雅美に答える。
「種類はね」
「ふうん、スコティッシュフォールドねえ」
「それと甲斐犬よ」
ワラビは再び主に話した。
「面白い組み合わせよね」
「そうね、犬と猫の使い魔の組み合わせは多いからね」
ケムンパスが言う、その理由は犬も猫も人間の身近にいる生き物だからだ、それでよくある組み合わせになっているのだ。
「よくあることね」
「そうね、そのこと聞いたらやっぱり意識するわね」
雅美はクラウンの六人のことをまた考えた。
「後輩だけれど負けていられないかなって」
「そう思うのね」
「うん、喧嘩はしなくてもね」
それでもだというのだ。
「いいライバルになりたいわね」
「そうよね」40
ケムンパスも雅美のその言葉に頷く。
「じゃあ仲良く競争してね」
「魔女らしくよね」
「魔女は仲良くお互いに勉強し合って切磋琢磨していくものよ」
「そう、だから喧嘩はしないでね」
喧嘩が大の苦手のワラビも言う、ワラビは身体は大きいが気は弱い、ケムンパスは気が強く喧嘩もかなり強い。
その二人がそれぞれこう雅美に言うのだった。
「魔女らしくね」
「仲良く競争しましょう」
「うん、あんた達と一緒にね」
雅美も笑顔で応える、彼女は家に帰って使い魔達とこう話したのだった。
第五十三話 完
2013・7・11
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ