第3話 学校の案内
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「え……う、うん」
案内を急かす俺に萌も少しうろたえたが、すぐに頷き歩き出す。
かなめもやれやれといった感じに、萌の後をつづく俺の後ろについてきた。
「遠山君とかなめちゃんは、前の学校では何部だったの?」
部室などの案内を終える最後らへんで、さっきまでの俺たちの会話か……それともヘンな時期に入ってきた謎の転校生に興味があるのかは分からんが、萌がこちらに振り返りながら話しかけてくる。
「いや……特に、部活はしてなかった」
「あたしも……」
まさか、『探偵学部だった』なんて言うわけにはいかないよな。
まあ部活じゃないけど。
「じゃあ習い事とかは?」
好奇心旺盛なのかな。萌は。
……いや、もしかしたら俺たちを気遣ってのことかもしれない。
それにこれくらいでイヤになっていたら、一般高校で友達ができないかもしれない。
(正直、あまりかなめのいる近くで俺の事を聞いてほしくないんだけどな……)
この俺の妹は先ほどの目線から分かるように、俺と自分以外の女子が仲良くしているのが面白くないらしい。
なぜだか分からないけど、かなめは俺の事を好きらしいからな。
けれど、案内してくれたこともあり、そのまま会話を続ける。
「いや……それも特には……」
「あのね、私は家庭科部なの。男子はいないんだけど……かなめちゃんと……と、遠山くん、お料理とか出来る?」
ああ、勧誘ですか。
しかし、なんで俺の名前を呼ぶ段になって急に視線を下に逸らしたんだろう。
白くてふわふわした頬も、少し赤くなってるし。
しかも、隣にいるかなめも気分が悪くなってきてるし。まだ必死に笑顔でいるけどな。……こんな些細な事も、女子でもかなめだと分かってしまう。
……正直、今に関しては分かりたくないんけど。
「女子だけの部は、正直……ちょっと困る」
「あっ、そ、そうだよね。やっぱりそうだよね」
「あたしもごめんなさい」
「う、うん。大丈夫だよ」
と、俺とかなめの断りに、萌がちょっと太めの眉を下げて、はにかんだ時――ぴゅう。
凩が吹いて、ひらっ……
(……っ……)
俺たちの案内をしてくれる為、体操着に着替えないでいたので、萌のブレザーのチェック柄のスカートとかなめのスカートが少し持ち上がったので、目を逸らす。
「や、やだ。やな風。びっくりしたぁ」
武偵高の女子は常時丸見せの大腿部を少し露出しただけだが、萌は恥じらう。……現に隣にいるかなめはそんなに気にしてないしな。
しかし、そんな恥じらう姿に、俺も少し赤くなってしまった。なんて……や、柔らかそうな太ももかと。
決して太いわけじゃない
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