第3話 学校の案内
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らそんなに他人行儀にしなくて良いよ』と言われて、少し話し方が砕けたかなめが萌に聞く。
「えっとね……バスケットボールやバレーボール、卓球に持久走なんかだよ」
「ホントにその日の気分だな……」
「あと本格的じゃないけど野球やソフトボール、テニスなんかもあるよ」
「野球!」
お、かなめが食いついた。そういやMLB観戦だもんな、趣味。
まあ俺もかなめと趣味や映画などの好みが合うので、当然というのもしゃくだが野球観戦などは好きな部類だし、やる分にも楽しみだが……
「やるにしても手加減しろよ」
そう、自分に言い聞かせるようにかなめに言う。
「お兄ちゃん非合理的ぃー。そんなの言われなくても分かってるよぉ」
「かなめちゃんは前に野球部やソフトボール部だったの?」
「いや、そんなことはないんだが……こいつの場合、運動神経が良すぎて他の奴がついて行けないんだ」
アリアや理子より運動神経が良いかなめは、武偵高でもトップクラスの運動神経のはずだ。
そんな奴が一般の奴らとスポーツをしたら、圧勝するのは目に見えている。
「そんなにスゴイの?」
「ああ」
そうしてまた三人でクラスのサッカーをやっている姿を見始める。そして1分くらい見てあることに気付く。
「――ッ!」
気付いた瞬間、反射的にサッカーをやっているクラスの奴らから目を逸らす。
いや……正確には『サッカーをしている女子』から目を逸らした。
(――ゆ、揺れてやがるっ!)
そう、サッカーをするためにジャージを脱いで必死に走る女子の良い大きさの胸が揺れている。
――ヤバい! 一般高校だからって油断していた。俺には武偵高を離れたって大きな爆弾あったことに。
そんなとっさに視線を動かした俺を、萌は不思議そうに首を傾げ、かなめは……
「お兄ちゃんはあまり見ない方が良いみたいだね」
「な、何言ってるんだ? サッカー見るだけでなにがダメなんだよ?」
「お兄ちゃん……あたしには分かるんだよ? ……お兄ちゃんなら分かるよね?」
……確かに遠山家の人間は、ヒステリアモードになる際の変化が何となく分かる。
かなめも俺の妹、俺の変化に気づけるのも頷ける。
「これは体育だけじゃなくて、部活動も入るんだったら考えなくちゃね」
「いや、部活は……」
「あ、そういえば部活といえば運動部の外にある部室なんか紹介してなかったね」
――と萌が、俺とかなめの会話で思いついたのか思い出したか分からんが、そんな事を口に出した。
(――シメたっ!)
こんなヒステリア的に危なくなりそうな状態でサッカーなんか見てはいられないので、萌の言葉にすかさず乗っかる。
「な、ならすぐにでも行こう! 時間も残り少ないしな!」
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