第一物語・後半-日来独立編-
第四十六章 火炎の鳥《2》
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違いの強さを持つ。
それゆえに信仰されているが、あくまで信仰の対象だ。
下手に現実空間に干渉されては、人類の身が保たない。
この星が神によって創られたとしても、やはり人の世は人が動かすべきだ。
神に頼ったのでは、人類が存在する意味が無いのだから。
「力の無い人類にとって神と関係を持つことは、この星を神に支配されるようなものだ」
「確かにそうですね。神とは時に優しく、時に残酷なもの。人類が神に下っては、それこそ本当の終焉です」
「ましかしたら、後に人が神を裁く時が来るのかもしれんなあ。そうなった時、お前はどう思う」
話しの内容は未来となり、質問の重みを感じる。
中心に立つ者からの、未来に対する問い。
どう答えたら彼が気に入るかではなく、思ったことを直接伝える。
彼は“お前はどう思う”と、こちらに問うてきたのだから。
お前の考えを聞きたい、とそう言っていることと同じことだ。
一度考え込むように下を見て、青い空を見て、今度は正面を見て。
言う言葉が決まり、最後に彼の顔を見る。
「もしそんなことになったら、人類は天罰を食らい絶滅するかもしれません。例え神を裁いたとしても、人類は、必ずこう言うかもしれません」
“神とは人となんら変わらない”
「とね。
もし人類が神を裁くことが出来たのならば、それは人が神となり、神が人となったのです。そして、もしかしたら、神も人と同じように彼らにとっての“神”がいるのかもしれません」
「神の上にいる神、か。ははは、面白いことを言うなあ、お前は。どうしてそう思う」
「これについてはただの空想に過ぎません。ですが、崩壊世界では何故、神の姿が今の世の人類の原型である人族そっくりなのでしょうか。あれが崩壊世界の人が神格化した姿ならば、神とは人ではないのかと。そう思うのです」
なるほどな、と一言。
確かに人の姿をした神は少なくない。
しかし、それは人が神を目指していたからではないのだろうか。
自身が神となることを望み、願いを描いたのではないのか。
一つの説によれば、崩壊世界で人が人をまとめ上げるために創った架空の絶対強者と言われている。
崩壊世界では不可解な事件を神や悪魔の、摩訶不思議な存在の仕業だと言われることがあったらしい。
そして特に知能以外に能力の無い人類のなかで、まるで神のような力を持った者もいるとされた。
現に神は存在しているため、今の世の中では一般常識だが。崩壊世界ではそうではなかったと、崩壊世界の遺産から分かっている。
崩壊世界では神を視覚から捕らえられなかったために、存在を否定する者達がいたらしいが、その逆の者もいたのも事実だ。
しかし、目に見えないからと言って存在しないわけではない。
彼らはそう思い、信じ抜く道
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