第一物語・後半-日来独立編-
第四十六章 火炎の鳥《2》
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直接渡しに来ればいいものの」
「何やら二人が会話をしていたようで、邪魔をしたくなかったと言っておりました」
「ふん、変な気遣いなどしおって」
ここでライタームは首を傾げ、疑問を口にした。
「しかし何時、ここへ来たのでしょうか。今は遠くにいるため小さく見えますが、近くから見れば巨大な筈です。話しをしていたために気が付かなかったのかもしれませんが」
「魔物についてはまだ分からないことが多いからな。そんなことは後でいいだろう」
遠くの魔物の姿を見て、軽く会話を交わした。
もう一度紙に目をやって、次に社交院の男性に目を向ける。
「ご苦労だった。下がっていいぞ」
「Roger|《ロジャー》.」
言って、男性は甲板を後にした。
辰ノ大花の地とは違い、平穏な空気が流れるなかで二人は一息。
忙しく動く、騎神を追う映画面が映す映像を見ながら途切れた会話を再開する。
先に口を開いたのはライタームの方だ。
呟くような、側にいなければ聞こえないような声で。
「後、約三十分ですか」
これにジスアムは反応し、言葉をライタームに渡す。
「三時間とはまた早めたものだな。つまりは後三十分で解放場に付かねば日来は負け、黄森と辰ノ大花はそれまで守り抜けば勝ちとなるわけだ」
「もし日来が解放場に辿り着かなければ、黄森による日来の処置は確定的ですな。例え宇天長の元に辿り着けたとしても、どうやって宇天長を助け出すのか」
「日来が策も無く行動を起こしたとも思えんな。何かあるに違いない」
一人、頷くジスアム。
知ったような口振りで、口から言葉を吐いた。
そんな彼を見て、何かを思い出したようにライタームは口を動かす。
「そう言えば、神のお告げにより今の時代は終わりを迎えるとか。もしかしたら、これが時代の終わりの始まりなのかもしれませんね」
「始まったのなら終わりがあるのは当然だ。だが、こんなことで世界が動くことになると言うならば、世界は思ったよりも小さいと言うことだな」
「人類の生活圏は星の大きさに見合ず小さ過ぎます。日来の行動に誰かが、何かが反応しても不思議ではありません」
「全く、嫌な世の中だ。予言者がいながらも、予言者に協力してもらうことが出来無いのだからな」
「そうですね。予言者がいながらも協力が仰げないばかりか、現に未来は見えてもそうはならない場合がありますし。まあ、未来そのものを探ること自体がタブーですし、わざわざ答えを求める必要もありません。絶望を先に突き付けられてしまっては、人は前に進むことは出来無いのですから」
「神は一体、何を考えているのか分からんな」
「神のみぞ知る、ですか?」
「そうだな。だが、人の世は人がつくるものだ。当然、神は信仰しているが、必要以上に手を出されると困る」
神は人類とは違い、桁
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