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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第130話】
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の用だろうと、軽く聞き耳をたてる。

普段はしないが、わざわざ篠ノ之【だけ】を呼ぶのには何かしら理由があるはずだろうし。


「お前には今日から専用――」


そう言っていた途中、何者かが誰かのあだ名を呼ぶ声が聞こえてきた。


「ちーちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」


向こう側から砂煙を上げながら人影が走ってくる。

何者かがわからないため、親父も母さんを下がらせて警戒していた。

――しかし、この速さ、尋常ではない。

何かしら機械的な物でも着けないと出せないスピードだ。

まずこの速さで人間が走れば神経などを痛める危険もある――ぐらいに速く感じるのだ。

――と、織斑先生はあの人影が誰だかわかったようで名前を呟いた。


「……束」


……束?

その束という人物は、立ち入り禁止の場所も関係無く、この場に乱入してきた。


「やあやあ!会いたかったよ、ちーちゃん!さあ、ハグハグしよう!愛を確かめ――ぶへっ」


そんな織斑先生に飛び掛かってきた束という人をアイアンクローよろしく、片手で顔面を掴んだ。

それも、指がその人の顔に食い込むぐらいの威力。


「うるさいぞ、束」

「ぐぬぬぬ……相変わらず容赦のないアイアンクローだねっ」


するりとその拘束から抜け出すその人、少なくとも簡単には抜け出せないアイアンクローに見えたが――器用に着地したその人は、篠ノ之の方へと向いた。



「やあ!」

「……どうも」


多少ぎこちない挨拶――というか、やっとわかった。

今、篠ノ之の前に居る人が【篠ノ之束】その人という事に――。

――てか、姉妹揃ってでかいな……胸が。

……まあ、篠ノ之は好みじゃ無いから例え目の前で全裸で現れても欲情すらしない自信がある。

現に昨日の白のビキニを見たときも全く何にも思わなかった。

――まあ、誰とも遊んで無いのが気になっただけだからな。

と、そんな篠ノ之に久々に会えた篠ノ之博士は、嬉しいのか笑顔で――。


「えへへ、久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ。おっきくなったね、箒ちゃん。特におっぱいが」


そんな発言をするや、篠ノ之は何と自身の姉の頭部に日本刀の鞘による一撃を入れた――。

しかも、中身がある状態で。


「殴りますよ」


そして、殴ってからの殴りますよ発言。

まるで銃で撃ってから撃ちますというのと同じ――得物が違うだけで危険度は同じぐらい高い。

もちろん、そんな妹の理不尽な暴力に訴える篠ノ之博士。


「な、殴ってから言ったぁ……。し、しかも日本刀の鞘で叩いた!ひどい!箒ちゃんひどい!」


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