人間ぽいヤツ(魔物)の事情
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
っただろうか。
「どうした!さっさと、始めないか!」
やっぱりよくわからないので、また怒鳴ってみる。
なんでもいいから、なんかやってくれないかな。
ムチをそれらしく振り回して待っていたら、この前の子供の、女のほうが出てきた。
よかった、なんか進みそうだ。
と思ったが、なんか言ってるだけで働いてくれない。
「口答えするな!いいから、働け!」
また怒鳴ってみたら、すごい勢いで言い返された。
なにを言ってるかわからない。
笑顔なのに、なんか怖い。
怖い。
「私の目を見ろ!!」
すごい近くに寄られて、怒鳴り返された。
……怖い!
本当に、怖い!
なにこれ、なんだこれ!
なんか、すごく、言うことを聞かないと、いけない気がする!
言うことさえ聞いていれば、安心な気がする!!
「……計画書は?有るの?無いの?」
「……はい!あります!今、持ってきます!」
「そう。早くね」
「はい!!」
よかった、許された!
ここで逆らわなければ、大丈夫だ!
これできっと、仕事も進む!
この人についていけば、なにもかも大丈夫だ!!
あの方は、ドーラ様と言うそうだ。
勝手ながらお預かりしていた荷物は、そのまま預かっておくように指示された。
丁寧に保管し、メモにお名前を書き足す。
万一にも紛失しないよう、注意しておこう。
ドーラ様の指揮のもと、工事は順調に開始された。
とは言え立場上、ご自身も作業に参加されており、見た目上は私が指揮を取っている形だ。
心苦しいが、ドーラ様のお望みなので、致し方ない。
見た目を取り繕うため、奴隷たちをそれらしく怒鳴り付け、傷付けないようそれらしくムチを振るう演技指導も施された。
作業は進むし、偉い魔物には怒られないし。いいことづくめだ。
やはり、この人についていけば大丈夫だ!
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ