暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン26 今週のビックリドッキリ…
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?」
「僕は、一番左のカードを攻撃!頼むよムーラングレイス!」

 ムーラングレイスが放った青白い光線がシルクハットの一つをぶち抜く。攻撃するカードを選んだ以上、できることは何もない。あのカードの正体は?

「………ふふ、自分の完敗だよ。運も実力のうち、君は強いね」

 氷霊神ムーラングレイス 攻2800→???(ゴーストリックの魔女) 守200(破壊)
 稲石 LP1600→0





「負けちゃったけど、久しぶりにデュエルができて楽しかったよ。ありがとう」
「いや、そっちこそ強かったです。特待生はさすがにレベル高いですね」

 素直に感心したのでそう言うと、なぜか稲石さんはあははと笑った。

「うん、ありがとう。ああそうだ、これはお礼って言ったらなんだけど、よかったら君がもらってくれない?自分が持ってても使い道がよくわかんないし」

 ポケットに手を突っ込んで、僕に金属片を見せる稲石さん。細長い形のそれは、一方の端にひもがついてちょうどペンダントのようになっていて………ってこれ!

「しゅ、守護者の鍵ぃ!?まままさか稲石さん、あんたセブンスターズだったのっ!?」

 確かあの鍵の形は、夢想がカミューラに投げ渡した奴だったはず。慌てて飛び退り、デュエルディスクを構えなおして警戒態勢に入る僕をぽかんと見つめる稲石さん。あれ、なんだか思ってたのと反応が違う。

「違うよ。これは、自分が数日前に地下でなんだかよくわからない変な喋り方のデーモン使いの人に会ったときデュエルを挑まれてね、とりあえず倒したらこれ落として逃げちゃったのさ」

 変な喋り方のデーモン使いって、もしかしてタイタンだろうか。今度はあの人何しに来てたんだろう。まあそれはいいとして、人を疑ったんだから謝んないとね。

「どうもすいません、ここ最近いろいろ立て込んでたから」
「いや、今の反応だけでもこれがなにかすごいものだってのはわかったよ。はい」
「ど、どうも………」

 そう言って、妙に冷たいその鍵を受け取る。自分の首に引っ掛けてる鍵とも見比べてみたけど、たぶん本物だ。うーん、なんでタイタンがこんな物を。帰ったら夢想に渡しておこうっと。

「じゃあ、外に出ましょうか」
「そうだね。今日は楽しかったよ」

 それから歩くこと数分。玄関前の大広間に出たあたりで後ろにいるはずの稲石さんの足音が聞こえないことに気づき、振り返ってみる。

「…………あれ?」

 誰もいない。おっかしいな、確かにいたと思ったのに。来た道を探しに戻ろうとしたところで、デュエルが終わってから黙りっぱなしだったユーノがゆっくりと口を開いた。

『……なあ、清明』
「何?今稲石さんを捜しに行くんだけど」
『その稲石のことなんだけどな?
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