ターン26 今週のビックリドッキリ…
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「ねー十代ー、今ヒマ?」
「いや、今日は翔と隼人と万丈目と釣り競争する約束してるぞ。どうしたんだ?」
ある休日の午後、どうしても気になることがあったから十代の部屋につながってる扉を軽く蹴り開けて声をかけてみる。というか十代、そんな予定初耳なんだけどなんで僕も誘ってくんないのさちょっと寂しいじゃん。
「悪い、今朝聞こうと思ったんだけどよく寝てたからさ。別に構わないから一緒に行こうぜ!」
「う〜ん、自分から話振っといてこんなこと言うのもなんだけど、今日はちょっとやっときたいことがあるから。暗くなる前には帰ってくるからー!」
『面白そうだな、俺も付いてくぞ。というかどうせ俺が釣りに行ったところで竿が持てん』
よっこらせ、と立ち上がって靴をはく。さーて、うまく入れるといいけどなっと。
『ところで、どこに行くつもりなんだ?』
「特待寮」
『………は?』
大体10分後、僕らは前にも一度入った特待生用の廃寮の前にいた。いやー懐かしいな、十代達と扉を2〜3枚引っぺがしに来た時以来だ。あのときはお世話になりました。
『んで、また来たわけだが。入る算段はついてるんだろうな』
怪しむような声で疑問を投げかけるユーノだが、その疑問はもっともだと思う。一回タイタンと偽闇のデュエルをした時にあっさり入れちゃったのが問題になったせいでバリケードが強化されて、前来た時は中に押し入るのにとんでもなく苦労したからなあ。でも、今は大丈夫なんだよね。
「チャクチャルさん、よろしくっ!」
『了承した。存分にやってくれ』
腰に付けたデッキケースに声をかけて、ダークシグナーの能力を全開放する。唖然とした表情のユーノを放っておいて、自分の腕に紫色の痣が浮かび上がってくるのを眺める。たぶん、目もそろそろ白目の部分が真っ黒になって黒目の部分に紫色が出てきただろう。
「………よし、完璧」
『うむ』
満足げに頷く僕とチャクチャルさんとは対照的に、呆れてものも言えない、といった様子で佇むユーノ。どうしたんだろう、急に。そう思いながらも、誰かに見つかったらやばいなんてもんじゃ済まないのであんまりのんびりはしてられない。ということで、ダークシグナーの身体能力を生かして高さ3メートルぐらいの柵をひょいっとジャンプして飛び越えた。おお、体が軽い。ちらっと後ろを振り返ると、幽霊だけができる特権のリアル壁抜けをしてユーノが敷地の中に入ってきた。
『んで、お前ら。これはどういうこった?』
呆れてものも言えんわ、と言いたげな表情のユーノの第一声がこれ。まったく、もうちょっと気のきいたことは言えないもんなのかね。
「何って言われても、ダークシグナーの能力・応用編だけど。別名身体能力底上げ法」
『うむ』
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