終わり行く世界〜
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里香なんだし、諦めも肝心よ?」
「早貴だって了承してたじゃない・・・」
「だってわたしは和人さんがお義兄さんでも構わないし」
「ははは・・・」
わたしは席を立つ。
「わたしも何か買ってこよっと。チャーハンにしようかなぁ・・・」
そう言った時、背後から声がした。
「悪い、ちょっと授業が長引いてさ・・・」
「亮さん、こっちです」
珪子が嬉しそうに亮を呼ぶ。見れば亮と共に二人の少女がいる。
「まったく・・・わざわざ待ち合わせをしなくとも・・・」
「まぁまぁ、春音さん・・・」
片方には髪を団子ヘアーで纏めた思春。・・・一応この世界では“春音”という名前があるが。ちなみに名字は亮から借りて大澤である。情報改竄は楽じゃなかったけど。そしてもうひとりは・・・二ノ宮 紗智さんだ。
「サチ、なんか食べたいものとかあるか?」
「あ・・・うん。何か食べようかな・・・」
「思春は何食べる」
「・・・何でもいい。ここの食事に外れはないからな」
・・・入院して数日、紗智から連絡が入ったのだ。“思い出した”と・・・当たり前だが彼女の精神は少し不安定になった、けど亮が震える身体を抑えて会いに行き、お互い話し合ってなんとか今の状態になった。思春の方はどうやら事前に亮が聞いていたらしく。すぐに迎えにいったらしい。住む場所がない彼女は桐ヶ谷家の居候になり、暮らしているそうだ。
「(まぁ、わたしも・・・)」
わたしも家に帰れず、里香の家に居候している。明日奈曰く母はわたしの話題は微塵も出さないらしい。・・・ほぼ絶縁状態かな。里香の両親には事情を話してある。ただ、これは罪悪感があった。里香の両親は納得してくれたけど・・・まあ、断ったらわたしは何処に行くんだって話になる。
「・・・はぁ」
代わりにバイトを初めてお金を入れようとも思ったけど・・・里香に止められた。
「さて、と・・・」
みんな揃って昼食を買い、席に座る。
「にしてもさ、お姉ちゃんって酷いんだよ?会っていきなりノロケ話始めたりしてさ・・・」
「んなこと言ったら俺はアスナや直葉に挟まれるんだからな?」
「え?どうして?」
紗智が聞くと亮は溜め息を吐く。
「まずアスナには俺しか知らないような兄貴の事を聞かれるだろ?んで直葉にはデレデレな兄貴を見て愚痴られる」
「ほほう・・・キリトの秘密は興味あるわね・・・」
里香の目が光る。
「勘弁してよ篠崎さん・・・あ、珪子さん、頬っぺに米ついてるよ」
亮が珪子の頬に着いた米を取って食べる。彼氏かお前は。案の定、珪子は真っ赤になる。
「あ、そ、そそ、そう言えば、
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