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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第07話
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ルルは少し晴れ晴れとした顔をしていた。

「ふぅ〜、溜め込んでたこと全部言えてスッキリした。話聞いてくれてありがとうね、二人共」

シャルルは弱々しい笑みを浮かべながらそう言った。

今にも泣きそうな顔をしながら、シャルルは言った。自分のことを弱いと思っている。だけど、そんなことない。全てを受け入れ、全てを溜め込み、全てを背負い、全てと戦ってきたんだ。並大抵の人間に出来るものではない。シャルルは強い。俺なんかよりもよっぽどな。

「多分だけど、僕は本国に呼び戻されるだろうね。こんなことになっちゃったし」

「…………一つだけ、確認させてくれ」

俊吾は呟くように言った。

「どうしたの?」

「シャルルは、本国に、フランスに帰りたいか?」

「帰りたいもなにも、呼び戻されるんだもんそんなの関係な―――」

「建前じゃなくて、シャルルの本心を聞きたいんだ」

「…………僕は」

俊吾の一言に動揺したシャルルだったが、搾り出すように言った。

「……学園にいたいよ。男としての僕だったけど、僕で入れたことには変わりなかったし、何よりとても楽しかった」

「そっか…………それだけ聞ければ十分だ」

さて、ここからは一夏の出番だ。

「いたいならいればいいさ。最低三年間は絶対に学園に入れるんだから」

俊吾と入れ替わるように、一夏が話し始めた。俊吾の意図を感じ取ったのだろう。

「それって、どういう……?」

シャルルは動揺が収まりきってなかったが一夏は続ける。

「特記事項第二十二、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に属さない。本人の同意が無い場合。それらの外的介入は原則として許可されないものとする」

「よ、よく覚えてたね。特記事項なんて五十五個もあるのに」

「俺は博識なんだよ」

ちょっとドヤ顔を混ぜながら一夏がそう言った。ちなみに、俊吾は特記事項は最低限しか覚えていない。二十二に関しては『そんなのあったな〜』レベルである。

「ま、そういうことだ。最低三年間は保証される。その間に何をするか考えればいいさ」

シャルルは二人を見て、泣き出しそうな顔で言う。

「ありがとう、二人共……。僕のために…………。すごく嬉しい……」

「お礼は最低限、事が済んでから聞きたいな。な、一夏」

「そうだな。全部とは言わないから、ある程度終わったら聞きたいな」

「うん、分かった」

目の端に溜まっていた涙を拭いながらシャルルは言った。これで少しは落ち着いただろと思ったが、突然ドアがノックされた。

「一夏さん?いらっしゃいますか?」

セシリアだった。時計を確認すると、7時。完全に夕飯時だ。

「ど、どうする?
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