王妃様とヘンリーくん
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なかった。
私こそが、ヘンリーを。
陛下の大切な子を、死地に追いやったというのに。
私の思い上がりが、王位を思うままに操り、あの子の命も守ることが出来るという、有りもしない力への過信が。
あの子を、あの子を陛下に任される程の優秀な男を、その愛らしい娘を。
三人もの、尊い命を、奪った。
もしも、生きているならば。
無惨な現場の様子からは到底そんな望みは持てなくとも、遺体の確認もされぬ彼らが、もしも生きて帰ったならば。
その時は命でも差し出して、罪を償おう。
それまでは罪を重ね、我が子デールを。
この国を、守り続けよう。
私が罪を犯したのは、守るためだった筈なのだから。
ヘンリーも、デールも、この国も。
本当は、全てを守りたかった。
私にはそんな力は無いと、確認出来ただけで。結局は、失ってしまったけれど。
残されたものだけでも、今は守り続けよう。
既に汚れたこの手を、汚し続けることで、守れるものがあるのなら。
そんなことは、造作も無い。
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