第二部 文化祭
第10話 黒歴史
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意地悪な笑みを浮かべる。
「そ、そのことは今言うなよ!」
「ふっふっっふ、んまぁ、キリトの黒歴史だもんねぇ〜」
「キリト君の黒歴史ってなに? すごく気になるんだけど」
「知らなくていいよ! 頼むから変な詮索はしないでくれよ、アスナ」
「リズ、あとで教えてね」
「了解、アスナ」
リズがアスナにウィンクする。俺ははぁ、と溜め息を吐いた。
「……えっと、キリトの黒歴史って」
「知らなくていいって言ってるだろまりあ!」
と、とりあえず話を変えるべきだろう。
「でさ……まりあ、作曲の方は頼んでもいいか?」
「いいですが、何曲ですか?」
「できるなら、アスナの分とリズの分とスグの分とスグの分と……4人分頼む。できなかったら1曲でも全然いいよ」
その時、アスナがガシッと俺の肩を掴んだ。らしくない、低い声で言う。
「……キリト君」
「な、なんでしょうアスナさん……」
「キリト君も、ソロで唄ってくれるわよね?」
「無理です」
「あら……わたし達に対しては何の相談もせずに勝手に唄わせることにしておいて、それはあまりにも不公平じゃない?」
「うっ……」
アスナは俺の胸倉を掴むと、にっこりと微笑む。
「……やらなかったらどうなるか……わかってるわよね? キリト君?」
──語尾がこわい。こわすぎる。俺はこくこく頷くしかなかった。
「じゃあ、きまりね。桜さん、もう一曲追加しておいてね」
アスナは俺からパッと手を放すと、いつもの表情をまりあに向けた。
「く、首絞まった……死ぬかと思った……」
「なにか言ったかな、キリト君★」
なんかまた語尾がこわい気がする。
本当に斬られかねないので、「なんでもありません」と大きくかぶりをふった。
「じゃあ、これにて今日は解散! 授業始まっちゃうしね」
リズがパン、と手をうつ。
「アスナ、次の授業なんだっけ?」
「次は……確か、歴史の授業じゃ」
「桐ヶ谷和人は保健室でご臨終です」
即座に言った俺に、アスナは苦笑いを浮かべた。
「それ、結構冗談にならないよキリト君……。どんだけ授業嫌なのよー」
「そうそう、歴史といえばキリトの黒歴史よね。キリトがあっち行ったら教えるわ」
「俺、鍛冶に目覚めました! 鍛冶室に残るよ!」
「そう? じゃああたし達は廊下歩きながら」
「俺の黒歴史について話したって、誰も得しないだろ!?」
「得しかしないよー。リズ、あとでちゃんと教えてね」
「もちろんよ、アスナ」
「ち、ちょっと待てー!」
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