拝啓義母様。私はルカ君の味方です。
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出かけの許可は出たようだ。
「ひかり。ルカは基本的に食べてはいけないモノはないそうです」
「そうですか。だったら美味しいモノたくさん食べられますね!」
「ですが油っこいものは控えるようにとのことなので唐揚げ等は少な目がいいかと」
「女性が多いので油モノは必然的に少なくなりますけどね」
「油の影響を受けるのはルカとひかりだけですけどね」
「・・・え?」
私はギギギとナタさんの方に首を向ける。効果音は例えるなら錆び付いた工場の稼働音。
視線の先にはニヤリと笑う女神様。
「私達にはもともと太ったり、痩せたりといった概念はありませんから」
「う、ウソ・・・信じてたに」
まるで昼ドラに出てくる夫の不倫を突き付けられた妻のように崩れ落ちた私。よよよと泣きいりナタさんの服にすがり付く。
「なんでそんなことをいうんですか! ナタさんは私の気持ちを考えたことあるの!?」
「事実は事実ですから」
周りの視線が集まってきました。ナタさんの表情がひきつったものになりつつあります。
「私のお腹には貴方の子供がーーー」
「なんの話しですか!?」
「冗談です。でも女の子としては羨ましいですよ」
昼ドラを終えた私は小さく舌を出しながら頭を掻き、ナタさんは苦笑しながら溜め息を付いた後に再びルカ君のいる病室に向かって歩き始める。
「けど、考えようによっては私はまだまだ可能性があるってことですよね姉が姉ですし」
「・・・ひかり。妾の何処を見て言っているか申してみよ」
ナタ御姉様が神様になりかけたので私は慌てて話題を変えます。
タナトス様の名誉の為に何処を見ていたのかは伏せさせていただきます。
ただエリス様は山脈。ネメシス様は小高い丘。タナトス様は平原とだけお伝えしておきましょう。
「ルカ君の病気って原因が分からないんですよね?」
「正確には普通の医学では分からないと言った方がいいでしょう。ルカの病気の起因は高過ぎる呪力にあります」
ルカ・セフィーネ。神に見初められ、神殺しとなった奇運の少年。
彼は生まれつき光を写さない瞳と動かない脚、それに加え身体も弱かった。それだけなら病院に入院し続ける必要もなかったのだが彼は一般人にはない無いものを持っていた。
それは異常なまでの呪力。
一般的な魔術師、巫女の数百倍、一流魔術師の数十倍の呪力を持っていた。
修練すれば歴史に名を残す魔術師になっただろう。
しかし、その呪力は彼にとって身体を蝕む毒でしかなかった。
「現在のルカは母より譲り受けた権能で神殺しとしての力と呪力を押さえつけています。また、彼は神殺しとして生きる事、母の力を権力として誇示したり、戦いの道具として使う事を
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