星屑の覚醒
2 安息の場所
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られてる...」
「その正体が僕だ」
「...ホントに?」
彩斗は頷く。
ミヤは信じられなかった。
ネット上では一部の人間から注目を集めているある種のカリスマだ。
それが自分の横に座っている。
「僕は自分のような人間を増やしたくなくて、街を良くしたくて、いじめや汚職に発展するようなデータを潰してきた。でもそれで死んだ奴もいる」
「サイバー攻撃を受けただけで?」
「それでこの街は救えないって思ったよ。その掲示板で特定の誰かを中傷して面白がることを生きがいにしていたような人間や、そのサーバーを管理していた人間で生きる気力を失って自殺した人間もいた。人を嘲笑うことでしか生きられない人間が多い。でもどんな人間でも殺せば殺人。僕は人殺しだ...」
「でもそれは自業自得だよ...アキちゃんは何も悪いことをしてない!!正しいことをしたの!!いじめられて自分が苦しむことが贖罪だって思ってるの?」
「そうだね...どんなに辛くても...いつかはきっとデンサンシティもいい街に戻ってくれる!そんな希望があるから耐えてきたんだと思う...」
彩斗が必死に微笑んでいるのが、ミヤとメリーには分かった。
正直言って価値観が常人とはズレている。
今までのいじめで恐らく心に深い傷を負っているのだろう。
体のケアの前に心のケアが必要だとミヤは思った。
自分をかつて救った"ヒーロ"に恩返しするために。
「ねぇ?やっぱりアキちゃんは心が傷ついてるんだよ。今まで1人で耐えてきたんだもんね...」
「本当はぶち殺してやりたいとも思ったこともある。でもやっぱり怖くて何も出来ない...連中は恐怖を食い物にしてる」
「大丈夫。明日からは絶対にアキちゃんに手を出させない。絶対に私が守ってみせる...」
ミヤはそう言ってバッグから何かを取り出した。
チョコレートだ。
板のミルクチョコレート。
それを割って彩斗に渡した。
「甘いもの好きでしょ?たまに隠れて食べてた」
「知ってたんだ」
「ごめんね...何度も声を掛けようと思ったんだけど...」
彩斗の好物を知っていた。
そしてミヤはメリーにもチョコレートを渡す。
「ありがとうございます!」
「いいの!一緒に食べた方が美味しいし!」
彩斗は糖分を体に吸収しながら、ミヤが何かを始めたことに気づいた。
膝の上に分厚い日記帳のようなものを開き、鼻歌交じりに何かを書いている。
バインダー式でルーズリーフなどを増やしていけるタイプで、紙の枚数から恐らく何年も書き続けてるものだろうと察しがついた。
そして書き終えると彩斗の方を向いた。
「私は今から学校に戻るよ。アキちゃんは今日は早退した方がいい。体の傷もあるし...」
「そうするよ。またメリーに手を出され
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