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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
2 安息の場所
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ねない。
そしてメリーは科学者たちに実験動物として切り刻まれることとなる。
中学生でもそれくらいの想像はついた。

「謝りたいから」
「どうして?」
「僕はさっき君を疑った。君が僕を助けるふりをして何か企んでいるんじゃないかって。でもそれは間違いだった。ゴメン」

彩斗は自分の秘密を明らかにすることで謝罪の気持ちを表そうとしていた。
当然、ミヤには別に彩斗を怒っていたりすることはなかった。
彩斗はミヤにそう言ってメリーの頭を撫でる。
するとメリーは子猫のように彩斗に上目づかいで微笑みかけるのだった。
そして彩斗は足元に逞しく生えているタンポポに話し掛けていた。
ブランコで遊ぶ子供たちに何度踏まれても負けないタンポポだった。

「もしかしてタンポポと話せるの?」
「まぁね。考えてることは分かる。こっちの話が伝わってるかどうかはともかく」

嘘では無かった。
彩斗のシンクロは植物の思考すらも読み取れる。
会話は一方通行かもしれないが、コミュニケーションはとれているのだ。
ミヤは笑った。
彩斗とは学校で話したことなど無い。
流れてくる取るに足らない噂を聞く限り、彩斗=沢城アキという人間は「根暗」、「クズ」、「間抜け」、「変態」などそれは噂を流している方だろうと疑いたくなるような人間だった。
だがミヤにはそうは思えなかった。
いつも直向きに努力し、学年でも20位以内には常にいる。
そして植物に水をやったりと自分に与えられた仕事はちゃんとこなせる優しい人間だと。
だがミヤは彩斗の事を小学生の頃から知っていた。
それはとある理由からだった。

「君は僕と同じ意見をもってるみたいだ。この街はおかしい」
「うん。きっとここ数年で色々と大きな犯罪が起こったからね」
「...白状すると、どうして僕が学校を転校もしないし、不登校にもならないんだと思う?」
「?」
「僕は戸籍に書かれている家には住んでない。街外れで海沿いの養護施設にこの子と一緒に住んでる」
「え?あのキング財団の?」
「そうです。私たちはあの施設で生活してます。他にも多くの孤児たちがいてみんな可愛いんですよ」

彩斗は久々の会話というものを楽しんでいた。
メリーとしか腹を割って話すことはない。
もちろんメリーとの会話がつまらないのではないが、話せる相手が1人だけだと、いざ話せない時になって不安になる。
だからこそ、こうしてメリー以外の人間とも会話が出来ているというだけで不思議な安心感があった。
思わずメリーの存在や自分の秘密を話してしまう。

「普通、あの施設にいる子供はあの施設の教育を受けるんだ。一応、教育機関としても認定されているからね。でも全てあの施設の中だけで過ごすことになるんだ。体育館も教室も映画館も公園も全部揃ってる
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