§50 斉天大聖動乱。あとしまつ
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りょーかい。じゃあ、みんなが帰ってきたら伝えておくね」
「お願い」
そんな通話をしながら歩いていれば、新居となるべきアパートの前へ。外観は割と小奇麗だ。プレハブだけど。
「今日からここが我が家、か……」
ラノベもカードも消失した今となっては荷物など皆無に等しい。引っ越しなんぞこの身一つで十分だ。
「まぁエルが先に来てる筈なんだけど」
今回の住処はペット同居可の所を探したかった。が、政府に勝手に割り振られてしまったものはしょうがない。下見の時にペット不可とわかり、また隠すのかと軽く凹んだものだ。だが、幸運なことに管理人は女性だった。下見の帰りに葡萄酒の誘惑をかけてしまえばこっちのものだ。ペット可に手続きを変更させてもらい、さらっと問題クリアである。
「ただいまー」
「おかえりなさーい」
「おかえりなさいませ、お義兄様」
「あ、れーとさんおかえりー」
「?」
今、声が二つほど多かったような……?
「まぁ声で大体わかるけどさ」
入ってみれば案の定、大きな鍋で何かを煮込む恵那と包丁でいろんなものを切り刻む羅濠教主の姿が視界に入ってきた。
「おかえりなさい。ご飯? お風呂? それとも恵那?」
「!? それは義妹たる私の役目です慎みなさい!!」
じゃあ二人まとめて。そう口走ろうとした自分は絶対悪くないと思う。美少女二人に誘われて(しかも多分彼氏いない!)断る男がいるだろうかいや居ない。
「……とりあえず落ち着こうか」
口走らなかったのは須佐之男命に後で何を言われるかわかったものではないからだ。須佐之男命と黒衣の僧上は鬼の首をとったかのごとく、茶化してくるに違いない。玻璃の媛や護堂に聞かれたら、死ねる。いや護堂はエリカに裕理にリリアナにいるし別によいのか?
「……自称モテない宣言した男の家とは思えないな。黎斗よ古き王の名が泣くぞ?」
「はっはっは。勝利の女神よ、そう目くじらを立てるものでもないだろう。男は口先だけの生き物なのだよ」
「まぁ。やっぱり殿方はいつの時代も一夫多妻を築き上げるのですね!!」
「!?」
振り向けば、冷めた目で緑茶を啜る女神サマと冥王サマと聖女サマ。
「ちょっと待ってキミ達なんでここにいるの!?」
驚きの声は。
「疑問を言われても、な」
「君は借りのある相手を「情事の邪魔だから失せろ」と追い出すような無粋な男ではないと思っていたのだが」
どこか根本的にズレた会話と化して返ってくる。
「それだと居座る妾達の方が無粋ではないか?」
「ふむ。それはそうか。邪魔して悪かったな最古の
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