一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
黒き翼を持つもの達
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装備した2本の片手剣の感触を確かめながら通路を抜けた先は迷宮区のボス部屋のような円形の広間だった。違いを上げるならば、天井が恐ろしく高い――と言うより、見えない事だろうか。
そして――、
「お前か、俺を呼んだのは」
『いかにもだ。人間』
「何故だ?」
俺は手前の広間でじゃんけんで一番最初に通路を選ぶ権利を得た。その時、ある通路から『声』を聞いたのだ。それがこの大鴉だった訳だ。
全身を黒い影で覆い、その全体像は見えない。
『他の連中は面白味が無さそうだったのでな』
「……へぇ?」
『お前がこの世界にやって来てから、ずっと見ていたぞ。その年でその聡明さ。我の相手に相応しい』
「だったら姿を現せ、影と話しているのも馬鹿らしい」
『ほう?……ハハハ。実に良いぞ!良かろう、クク……』
一気に霧が晴れるように影が霧散し、レイヴンが姿を現した。巨大な鳥の骸骨に、無数の鎖と漆黒の巨大な翼を纏っている。やがてその周囲を蒼炎が踊り始め、空気を焼いていく。
『我が名はレイヴン。司るのは《滅罪》。黒き翼を持つ五神獣が一角。名乗れ、剣士よ』
「……《黒き導き手》リン」
言うが否や二刀を抜き放ち、不意打ちを敢行する。
二刀流突進系ソードスキル《ダブルサキューラー》
熱せられた空気を切り裂いて肉薄したリンと、レイヴンの嘴が激突した。
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「クソッ……」
右手に生み出したスピアをつがえて頭上を飛び回る巨大な影を撃つ。だが、影は体を傾けるとそれを難なく回避し、さらに高空へと逃げ去る。
「ぐ………」
弦を限界まで引き絞って放つが、放ったスピアは届かずにきりもみしながら落下してくる。交戦開始から随分と経っているが、まだ決定的な一撃は入っていない。グルリと宙を一周したグリフィンは壁に爪をたてると、そこを支点に体を支えた。
名前から飛行する敵だと予測し弓で挑んだはいいが、射程外に逃げられてしまってはどうしようもない。が、
『もう良いか』
「…………っ!?」
『何だ?儂が話すのはおかしいか?』
「……いや、驚いただけだ」
ズウン、と巨体が地面に着地し、地面が波打つように振動する。さらに、ひび割れた地面から土色の流砂と鎖のようなものが飛び出し、グリフィンの周りを漂い始めた。
『変に思うかもしれないが、儂は所謂人見知りでな。初対面の者は苦手なのだ』
「は、はぁ……」
随分と人間臭い――というか、苦手と言う割にはやけに饒舌だ。
『ふむ……。成る程。この塔にやって来たのはヤツに唆されたからか』
「ヤツ、だと……?」
『ヒースクリフ、だろう?知っておるぞ。会った
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