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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第22話 人間と妖
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だけ、表情を強張らせていた。
当然だろう……。
聞こうとしている事……それは。
『……俺もご想像通り妖だ。』
予想通りの答えが返って来た。
だから、助けてくれたとは言え……表情は緩めない。
さっきの事も見ていた。
大男を片手で、それも重力に逆らうかのような持ち方で、物みたいに投げたあの姿を見れば……疑いようが無いんだ。
それに……少し怖いのだ。
ジャックはそれを見越して笑いかける。
『……でも さっきのような奴とは違うよ。オレは君には何もしない。』
その笑顔は……本当に素敵なものだった。
格好いいって言うのも本当だ。それに、優しいって思ったのも、本心からだったんだから。
『今は無理でも……、君たち人間と本当に手を取り合って良ければいいって思ってるんだ。……本当にまだ夢物語だけどな。』
その言葉は、説得力が凄くある。
心からそう思っていると、なぜかわかるんだ。
「……とてもすばらしいことだと思います。」
そう返したんだけれど、でも やっぱり顔に出ていたんだろう。
『無理はしなくてもいいさ、君は襲われたばかりなんだから…。 でも これだけは 分かって欲しい。 キミももうわかっていると思うが、……無数に存在する妖の中には 俺のような考えを持つものもいるって事をさ。全部があんなクズじゃないって事をね… ちょっとでも思ってくれたら 救われるかな?』
表情を崩した女性の心を読み、且つ自分の思いを伝えた。
「あ……、 いえ ごめんなさい… 顔に出てしまいましたね……。」
ジャックの言葉で 自分がどんな顔をしているのかを気づき謝罪した。
『今、有ったことを考えると仕方ないよ。それじゃ 俺はもう行くから、これからは気をつけなよ。あいつらも大っぴらには 手を出したりしないと思うしね。とりあえず 路地裏みたいなベタなとこには入らないように!それじゃあね』
手を挙げ俺は 歩き出した。
「あ あのちょっと!!」
『ん?』
女性は 美佐は…ジャックを呼び止めた。
「あなたのお名前は何ですか?私 明石美佐って言います!」
そういえば 自己紹介してなかった…。
『これは失礼… そういえば 名乗ってなかったね。俺は ジャック。ジャック・ブロウっていんだ。』
軽く頭を下げ名を告げた。
「ジャックさんですか… あのジャックさん今日はほんとにありがとうございました!あ あの…又 会えますか?」
『ん… そうだね。……縁があればまた会えるさ。』
そう言って微笑んだ後
『それじゃあ 美佐さん また。』
“ヒュンッ”
一瞬にして その場
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