暁 〜小説投稿サイト〜
世界の片隅で生きるために
天空闘技場編
未来の原石と頭痛の種
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「……ふーん。おつかれさま」

 なんで、ここでキルアと会うんだ。
 私の内心と反比例するかのように、自分の顔から表情が消えて行くのがわかる。

「あ、おねーさんのそのひらひらの服がさ、俺のおふくろみたいなんだよね。強い女ってそういうの着たがるのかな? それ聞いてみたくてさー」

「さあ? ……似合っているならいいんじゃないの?」

「仕事の時とかじゃまになると思うんだけどなあ。よくわかんねー」

 そんな会話の後、エレベーターの扉が開いた。

「エレベーター来たね。じゃあね、おねーさん!」

 右手を上げて挨拶するキルアに、無言で手を振ってエレベーターに乗る。

 予想外の出来事だったけど、まあ年表から考えれば今の時期にいてもおかしくないんだよねえ。
 びっくりしすぎて怖いわ。


「スミキ様、200階到達おめでとうございます。ここから武器の使用が認められるようになるので気をつけて下さいね」

「ありがとうございます。でもそんなに変わらないと思うんですけど」

 エレベーター嬢が少し心配そうに私に声をかけてくれた。

 この人、初めに50階に行く時に話をした人だった気がする。
 どおりで乗った際に何も説明がなかったわけだ。
 私がきちんとパンフレットを読んでるってわかってるから、説明を長々としなかったのか。
 たくさんの人がいるはずなのに、よく覚えてたよね。
 職業柄なのかな?

「相手が女性だからって「服だけ」切り刻んで全裸にした選手もいるんですよ。男性の観客や選手は歓声上げてましたけど……」

 ほほう。

 真意はともかく、傷つけずに相手の戦意を喪失させるには悪くない手だ。
 私だって、女性相手だったらできれば傷つけたくないし。

 女性が暴力による肉体的苦痛を受けるのを見るのが好きって輩もある程度の数いるのは知ってる。私が一番嫌いなタイプだから、出来ればそういう肉体苦痛が好きってタイプとは当たりたくない。

 そういえば、私、武器は使ってないんだよなあ。
 何度も言ってるけど、近接攻撃は出来ればしたくないんだ。
 もろに相手へダメージ与えてるってわかるから。

 でも、そう考えると飛び道具系か。
 ここでその問題に当たるとは……。

 弓、銃、投げナイフ、手裏剣……あ、カードも素材によってはいける? 
 カードを武器にするとか、オズワルドのカーネフェルとかMUGENの朔みたいで是非そうしたいところだけど、ヒソカと武器が被るイメージ。

 さすがにあの変態と一緒はなあ……。
 まあ、なにか考えておくことにしよう。

「では、がんばってくださいませ」

 エレベーター嬢の声を背に200階に降り立ち、薄暗い通路を通って受付まで向かう。

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