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世界の片隅で生きるために
天空闘技場編
天空闘技場3
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『さあ、皆様おまたせ致しましたー! 次は美少女と野獣の組み合わせです!!
 では、スクリーンを御覧ください!!』

 対戦会場は54階のBリング。
 相手は、顔は髭面で体毛が濃く、手の爪をかなり伸ばした男だ。
 スクリーンに1階で対戦した時の映像が流れた。

『スミキ選手は、見た目こそ可愛らしい少女ですが侮る事なかれ!
 体重200kgを超す巨漢を軽やかに手刀一閃!!
 対するバルモア選手は、自前の鋭い爪と牙を武器とするまさに野獣!!
 対戦相手を切り裂き、マットに沈めています!
 さあ、皆様、ギャンブルスイッチはよろしいですか?
 それではー、スイッチー……オン!!』

 倍率は、見た目だけで言えば、当然だとは思うがバルモアの方が低い。
 対戦相手を殺している凶悪さも考えると仕方がない。

 まあ、そうだよねえ……何も知らなければ、自分でも相手にかけそう。

『おーっと、倍率はバルモア選手優勢!
 やはり、あの切り裂く爪と牙が優位に働いたか?』

 明確に武器ってわけじゃないから、自前のものじゃ使用禁止にもできないよねえ。
 斬られると痛そうだし、噛み付かれたくもない。

『それではー、3分3ラウンド!! ポイント&KO制!!』

「はじめ!!」

 VTRを見ていたせいか、相手は構えたままこちらに来る気配はない。
 先に攻撃を仕掛ければかわされると見たのだろう。
 1階の時の相手よりは考えているらしい。

 それなら、こちらから仕掛けるだけだ。
 微笑を浮かべて、ゆっくり相手に近づく。

『さあ、最初に動いたのはスミキ選手!!
 不敵にも笑みを浮かべているようにも見られます』

 私がこの闘技場で闘うにあたって自分で決めたルールが一つある。

 できうる限り、相手を一撃で気絶させること。

 私は闘うことが嫌いだし、相手が痛みで苦しむ姿は見たくない。
 だから、できれば近接で戦うことはしたくない。
 間近でもろに相手へダメージ与えてるってわかるから。
 でも、私は心源流の格闘術を師匠であるビスケから習っていたわけだし、遠距離攻撃のすべはない。
 ならば、いかに苦しませないかが重要になる。

 ただ、実戦経験は数えるほどしか無い私だから、多分途中で上手くは行かなくなるとは思ってる。
 その時こそ、師匠の言う「慣れ」が必要になるはず。

 警戒してバルモアがその腕を振りかぶる瞬間に、左に避けて手刀を首筋へと叩き込んだ。
 彼はその場に崩れるように倒れた。

「ヒットー!」

『でましたー!! スミキ選手の一撃です。ヒットとダウンで2ポイント先取です。
 皆様、御存知の通りポイント&KO制とは……』

 司会者が説明をしているけれど、たぶん相
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