暁 〜小説投稿サイト〜
世界の片隅で生きるために
天空闘技場編
天空闘技場1
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「いや、え……えぇぇぇ?」

 カストロってこんな奴だったっけ。
 ポジティブシンキング、プラス思考どころの騒ぎじゃない。
 元はといえば、私の自意識過剰での勘違いだったのにドMすぎだ。
 もう残念ドMと彼を心の中では呼ぼう。

 プライドが高くてそれなりの強さを持っていたわりに雑魚っぽい印象しかなかったんだけど。
 しかも、元の世界で昔やってた旧アニメではヒソカ戦はいろいろ放送コードに引っかかっちゃったせいでサックリ削られ、新アニメでは彼自身の配色がどう見ても戦隊物のイエローな上にヒソカの当て馬になっている。
 そういえば、彼は新アニメと旧アニメを足して割ったような感じだ。
 色素が薄い蒼灰色の髪の色は光のあたり方によっては白く見える新アニメ版だけど、瞳の色は紫色で旧アニメ版。身に着けているマントは旧アニメ版の落ち着いた薄紫色で、新アニメ版のあの残念なドギツイ黄色ではない。でも中に着ている服は白で新アニメ版。そして、声は旧アニメ版。

 ……やっぱり、平面のマンガやアニメで見るよりも実際の人物とは違うということなんだろうか。

 それにしても、原作関係者と関わらないで生きるはずだったのにっ
 たった一度の前方不注意でこんなことになるなんて。
 後悔してもしきれない。


「1890番、1976番の方Jのリングまでどうぞ。1890番、1976番の方Jのリングまで……」


 丁度良くアナウンスが流れた。
 自分の番号が入っていたのは天の助けと思いたい。
 この残念ドMは放っておこう。
 そして、今後は自意識過剰による恥ずかしい出来事を起こさないように気をつけなくては……!
 私は慌てて荷物をまとめると、中央の闘技場フロアへの階段を走り降りた。
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