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世界の片隅で生きるために
天空闘技場編
天空闘技場1
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けれど……
 私には通用しない。というか、相手がカストロなので余計に。むしろ、イラッ☆とさせられる。
 こういうフラグイベントというものは普通、主要のイケメンキャラとかと発生するものであって、一応分類としてはイケメンではあるものの、残念極まりない「捨てキャラ」と発生するとか私どれだけ不運。

「たかだか、飛行船内で出会っただけですよ? そんな探しまわったり、嘘をついていたのはなぜか? なんて聞いたりする必要性なんて無いと思いますが」

 軽くため息をつきながら、パンフレットを閉じてカバンにしまう。

「私は君に興味があるんだよ。今まで、そんな態度を取られたことがないからね」

「それは、自分自身に絶対的自信を持ってて、なびかないのは居ないとか思ってるからでしょう? 私みたいな変わり者は少なからず居ますよ。
 それよりも、ここへ来たということは、貴方は格闘家として腕を上げて名を残すためでしょ?
 私みたいなのに声をかける暇があるならその時間を鍛錬に使うべきだと思うんです」

 とりあえず、話題をすり替え。
 正直に話したところで、根掘り葉掘り聞かれそうだし。

「そして、私は貴方みたいなタイプは大嫌いです」

「…………」

 あー。プライドが高そうだから、逆にやばかったかな。
 こういう態度取られるとか珍しいんだろうねえ。言い寄る方が多そうだし。
 でも、はっきり言わないとグダグタと長引きそうだし……

「……ハハハハハ!!」

 あ、壊れた……?
 いきなり大笑いしはじめたカストロに周囲の視線がこちらに集まってしまう。
 ちょ、これはかなり恥ずかしい!

「ふう……。はっきり言ってくれるね、スミキ。君は本当に面白いね」

「面白いですか? 普通だと思ってますけど」

「ああ。私は本当に君に興味を持っただけ……だったんだ。
 私が扉を開けたとき――つまり君が通路を歩いているとき――気配を全く感じなかった。
 それはどういうことなんだろうってね」

 え、どういうこと?

 ……あれ、恋愛フラグじゃなかったの?
 まさか、私の自意識過剰による自爆ですか?

 うあ……なんというイタイ行動だよ、私。
 勘違いもはなはだしい。ああ、穴があったら入りたい。
 いや、この場から走ってでも逃げたい!


 そう瞬時に理解して私の顔から血の気が引き、その後に恥ずかしさの余り真っ赤になった。

「とはいえ……それとは別に君自身のことが知りたくなった。
 それで、嘘をついた理由は私が嫌いだからでいいのかな?」

「え。ええ……」

「うん。マイナス印象からのスタートか。それならそれ以下になることはないわけだ。
 これからはプラスになるように頑張るとしよう」


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