天空闘技場編
飛行船で天空闘技場へ
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「えと、ケガもないですし……これから食事に行くので、失礼しますね」
落としたままだったパンフレットを拾い上げて、ペコリとお辞儀をする。
うん、引っかかりがあるってことはきっと原作関係者。
関わり合いになっては駄目だ。
早々に撤退せねば。
「ああ、私も行こうとしていたんですよ。よろしければ、御一緒させて下さい」
ヤバい、変なフラグ立てちゃった?
◇
目当てだった水晶の自動ピアノと外の景色が両方見えるテーブル。
ピアノは照明で輝いていて、本当に綺麗だ。
自動演奏のBGMも雰囲気にあっていて落ち着く。
このレストランは、きっと観光客用なんだろう。
―――――そして、そんな私の斜め隣の席には、微笑を浮かべるイケメン。
なんてベタすぎるシチュエーション!
何処の乙女ゲームかっ!? と喜ぶべき(?)ところだけど。
「……どうしてこうなった」
引きつった笑みを浮かべながら、隣に聞こえないくらいの私の独り言。
でも、まさに私の魂の叫びだ。
この時期に原作関係者なんていないと踏んでたのに。
何か、年表の確認ミスでもしていたのだろうかと頭が痛くなる。
変なフラグは叩き壊すに限ると同行は断ったのだが、ケガをさせそうになったお詫びに食事くらいはご馳走させて欲しいと言われたのだ。
食事代が浮く……! とか思って、思わずOKした私にはバカの称号を与えざるを得ない。
「そういえば、まだ名乗ってもいなかったね。
私はカストロ。キミの名前も教えてもらえないか?」
カストロぉ?
天空闘技場で、ヒソカと戦って念を覚えて、その後メモリの無駄遣い方向に修行したせいでヒソカに殺されたあの?
やっぱり、原作関係者じゃないかぁぁぁぁ!
ああ、この場で席を立って、見なかった・聞かなかったことにしたいっ
「……スミ…キ…です」
本当にどうしてこうなった。
「スミキさんはどちらまで向かわれるのかな。
途中寄港するラジェスタ? それとも、天空闘技場まで?」
「え。えーと……」
少し迷ったあと、素直に目的地を私は口にした。
「このまま、天空闘技場まで行きます」
「それは奇遇、目的地は一緒のようだ。観光で?」
もうね……。なんなの。
なんで、そんな嬉しそうな微笑み浮かべてるの、カストロ。
お前、格闘家として腕を上げて名を残すために闘技場に向かってるんでしょ?
こんな所でナンパしてないで、ちゃんと精神修行しなさいよ。
若干ロリコンの趣向でもあるんですか。
貴方にふさわしい派手な美人辺り口説きなさいよ。
それとも、自分の魅力に振り向かない女はいないとか
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