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世界の片隅で生きるために
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弟子卒業試験のはじまり1
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し。メイクの腕だって上がった。

 ……胸の方の発育が前よりもちょっとイマイチなのは、きっと若返ったせいだと思いたい。

「さてと。それじゃ、そろそろ卒業試験するわさ」

「え……?」

 それは唐突だった。
 根城にしていたヨークシンシティの師匠の別宅(何個目かは忘れた)で、朝食の用意をしていた時だったから。

「天空闘技場って知ってるかい?」

「あ、はい。パドキアの端にある格闘のメッカとか言われてるところですよね。
 観光客も多いとか」

 フライパンから目玉焼きとベーコンを皿に出して、トースターから程良く焼けたパンを並べて、冷蔵庫に作り置きしておいた生ハムとトマトのマリネと新鮮なレタスのサラダを添えた。

「そこに行って、闘技場内で開催されてる四季大会のどれかで優勝しといで」

「は……?」

 グラスに注いでいた牛乳を危うく床にぶちまけそうになった。
 いや、だって唐突にとんでもないこと言うんだもの、驚いて当然だよね!?

「師匠……私、強化系じゃないよ?
 なんだって、そんな所に行かなくちゃいけないんですか」

 ちなみに、私の系統は困ったことに特質系。
 水見式をしたときは、葉っぱが真っ赤になってから、どこかに消えた。

 たぶん、異世界からきたせいだろうなあと自分は思ってる。

「あのねえ……。あんたは、あたしと同じく念能力は戦い向きじゃないからその分自分の力の底上げしないといけないの。だから、格闘技術はきちんと教えたでしょうが」

「それでも、優勝だなんて……無理に決まってるじゃないですか」

「四季大会はね。その名前の通り、春夏秋冬の各季節に一度だけあるんだわさ。
 参加希望者は凄まじく多いのに、その中から一部しか選ばれない」

「じゃ、ますます無理じゃないですか。私選ばれるわけが……」

「話は最後まで聞くんだわさ。闘技場にとってチケットが高く売れたり、話題になったりする闘士しか選ばれないってことだわさ。
 女性闘士なんてほとんど居ないから、確実に選ばれるのは間違いないわさ」

「はあ……」

「で、その優勝の副賞品。『パラダイスレッド』っていう宝石が贈られるんだわさ。
 協賛企業にジュエリー・グランマニがついてるからね。全く勿体無い」

 ……なんか、見えてきた。
 要するに、その宝石が欲しいから行ってこいってことなんだろうか。

「師匠。それ単に宝石が欲しいけど、自分で戦うのは面倒だから私に行って来いとか言うんじゃないですよね」

「…………ソンナコトハナイヨ」

 図星なのか。
 片言になってるよ?

「私、今年ハンター試験受けるんですよ?」

 そう。
 今年の285期で受けないと、来年はヒソカが受けるし
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