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世界の片隅で生きるために
プロローグ
弟子卒業試験のはじまり1
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 そう思っていたのだけれど――――――


 自分が思うようには、この世界は回らないらしい。

 その日は、当時の常宿にしていたザバン市のホテルから一人で買い物に出かけた。

 買い物と言っても、師匠お気に入りのジュエリーデザイナーに頼んでおいた指輪を引取りに行くという単なるお使いだ。
 だから、そう言えば原作はここがハンター試験会場になるんだよなあ……なんて思いながら、警戒もしないで人気のない道を歩いてた。

 そんな時だった。
 師匠を恨んでいたヤンが現れたのは。

 可愛がっていた弟子を師匠が殺したから、ずっと復讐する機会を伺っていたそうだ。

 恨む……と言っても、それは逆恨み。

 だって、その弟子は賞金首になっていたんだ。大量殺人者として。
 師匠が殺したのも不可抗力だったらしいし、私が弟子になる遥か昔の話で当時の私はそれすらも知らなかったのに。

 嫌な笑みを浮かべてそれを私に伝えると、私に襲いかかってきた。
 それは突然のことで、対処の仕様がなかった。

 この時の出来事は今も思い出したくはない。
 何も鍛えてない頃の自分だったら、その一撃すら耐えることも出来ずに死んでいたと思う。
 幸運だったのはそれだけでなく、戻って来ない私を心配した師匠が探しに来てくれていたこと。

 ヤンは、師匠がきたことですぐに姿を消した。


 悪意ある念による攻撃で無理やり開かれた精孔、目の前に迫る死。
 もちろん、師匠は慌ててそれを御する方法を教えてくれた。
 そして、目覚めた能力。

 自分の中のワースト体験No.2だ。bPは、飛行機事故に決まっているけれど。

 そのおかげで念の修行も組み込まれるようになった。

 冒頭のようなやり取りも日常的になって――。







 …………そんなこんなで、さらに一年近く経った。

 べ、別に修行を説明するのが面倒で飛ばしたとか、そういうわけじゃないよ?
 大体やってたことは、GI編のゴンたちと一緒だったし。

 少し違うのは、私が女だからオンナならではの処世術を色々と教えてもらったことかな。
 見た目に騙されるオトコはそれだけ多いってことだ。

 確かに、今の私の見た目なら自慢じゃないが色々と騙せそうな気がする。
 師匠の念能力の恩恵に与れて本当に良かったと思う。


 ムダに長くて染めるのが面倒だったから黒かった髪も、奇跡のキューティクルのサラサラツヤツヤで天使の輪まできれいにできてるし。デスクワークばかりで日に焼けていないだけだった不健康な肌も、若返ったせいと手入れで白い上にプルプルでツルツル。
 そして、規則正しい生活と適度?な修行、仕上げのクッキィちゃんのおかげで素晴らしいクビレになった
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