第一幕その十五
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夏が訪れる時」
「はい」
「かつて長い冬の夜に古い書物から学んだものです」
またそこからなのだった。
「美しい森に響き渡り高らかな歌声を聞きフォーゲルヴァイデ、そう小鳥の棲む原で私は歌ったのです」
「そうだったのですか」
「そうです」
穏やかな声で述べるのだった。
「そこで私は学んだのです」
「つまり鳥から学んだ!?」
ベックメッサーはまた口を尖らせた。
「何ですか、それは」
「いけませんか」
「人から学んではいないではないですか」
ベックメッサーはヴァルターに対してそこを言うのだった。
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