7話
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は、あなたを相棒に据えようと疲れた身体に鞭を打っているの。お分かり?」
「……まあ、話は理解したよ。で、お前は俺に相棒になれと」
「こんなか弱い女の子を一人で戦場に立たせるの?」
棒読みな口調で、ハンカチを噛むアリア。
「か弱いって、どの口が言うか」
「ああ神様、キンジってば冷たいわ。こんなに困っている美少女に手を差し伸べてくれないのよ」
「いや、別に協力しないワケではないぞ、強襲科に入りたくないだけで」
「だーめ。強襲科は戦闘の専門学科よ?そこで技術を学ぶの。巻き込む以上、私はあなたを生きて返す責任がある。でもある程度は、自分の身は自分で守って頂戴。勿論、あなたの実力を疑っているんじゃないわ。ただ、奴らの力は底が知れない。備えて損はないの」
真剣な眼差しだった。
強い意思だ。曲がることのない、一本の芯の通った意思。アリアの思いの強さが滲んでいる視線。
だが、それでもキンジの心は傾かない。彼の心の天秤は、常に一点に傾いている。
「……済まないが、何と言われようと強襲科に戻るつもりはない」
きっぱりと、断わった。
アリアは何も言わない。悔しがりもせず、悲しみもせず、ただ少しだけ寂しそうに、顔を伏せた。
「今日はもう遅いし、早く帰りな。パートナーの件だけなら別に構わないから」
話は終わりだ。残念ながら、譲れない一線は彼にもある。スポーツドリンクで喉を湿らせてから、はっきりした口調でそう言った。
「嫌よ。泊まるわ」
スポーツドリンクが吹き出た。
「え、いやおま、冗談だろう?完全に帰る流れだったじゃないか今の」
「本気も本気よ。いいじゃない、こんな可愛い女の子と同棲なんて、役得よキンジ」
「いやいやいや、流石にまずいだろ……一応男と女だぞ……」
何がまずいとか言うわけではないが、こんなことが露見したらキンジの校内の立場がないし、何より教務科連中や死の風紀委員に殺されかねない。
「可愛いってところは否定しないのね」
「事実可愛いからな、お前。ちょっと小さ過ぎるところが残念だが」
「むむ、それはけっこー気にしてるんだけど。あんまり女の子の体系のこと言っちゃ駄目よ?特に胸と体重についてはね」
「それもそうだな、済まん」
「分かればよし。良い子よキンジ。じゃあね」
アリアはソファの裏に隠れていた、赤白ストライプのトランクをガラガラ引きながら扉へ向かう。
「お、帰るのか?」
「そんな訳ないでしょう。シャワーを浴びるだけよ」
キンジが蒸せる。
「しゃ、シャワーっておま…….」
「覗いちゃ駄目よ?」
「覗かねーしっ!あーもー、とっとと入って来い!」
くすくす、とアリアがさも愉快そうな笑い声を
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