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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第128話】
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いし……俺が我慢すればいいか。
「……わかった、だが今回だけだぞ?」
「え、えぇ!ありがとうございます、ヒルトさん」
セシリアから箸を受けとる――すると、一夏が。
「――ヒルトが良いなら別に俺が食べさせても良かったんじゃないか、セシリア?」
「……織斑さんとヒルトさんでは、信頼の差が天と地程の差があります。――織斑さんが食べさせてやるってわたくしに言われましても頭がおかしいとしか思えませんもの。その点、ヒルトさんでしたら普段からお世話になっていますし。わたくしも色々とお教え致していますから」
……それだと、今からそれをやむを得ずやる俺も頭がおかしい気がするが――いや、元から俺の頭もおかしいか。
あまり納得いかないのか、色々とぶつぶつ言ってる一夏。
しかし、こうして信用されて任されるのは嫌な気持ちはしない。
ただ、【はい、あーん】だけは勘弁してほしかった。
受け取った箸で刺身を一切れ摘まみ、左手で受け皿しながら口元へ。
「ほ、ほら。早く口を開けろって…此方はめちゃくちゃ恥ずかしいんだからなっ」
「わ、わかりました」
事実、今俺が行おうとしている行為を、周りがジィーッと見てくる。
シャルに関しても、墓穴を掘ったとはいえまさか俺が了承するとは思っていなかったらしく、今少し頬を膨らませていた。
そして、テーブル席から刺すような殺気に近い視線を複数感じるのも、冷や汗をかく気持ちだ。
返事をしたセシリアは、そっと小さく口を開く。
それを見た俺は、そのままセシリアの口元まで箸を進めると――そのままそっと刺身を一切れ口に含み、咀嚼するセシリア。
「あ……む……。――美味しい、ですわね……」
そう告げるセシリアの頬は紅潮し、嬉しかったのか少し緩んだ表情になっていた。
――と、この行為を見ていた女子一同が。
「セシリア良いなぁ……。あんな風に食べさせてもらえて…」
「織斑君!有坂君がセシリアに食べさせてあげたんだから、織斑君も私達に食べさせてくれるよねっ!?」
「それナイスアイディア!?ミカに座布団一枚!!」
――何故か一夏に飛び火するという罠。
いや、まあ俺がやるよりかは一夏のが良いんだろう――一夏にとってはとんだとばっちりだが。
――いや、爆発しろでいいのかもしれないな。
そんな感じに、一夏に食べさせてもらおうと一夏の元へと女子が押し寄せてきた。
そんな女子の勢いに圧される一夏は苦笑しつつも。
「いや、お前らは普通に食事――」
そう言いかけたが、それよりも先に女子一同が。
「早く早く!」
「「「あーん!」」」
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