暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
英雄達の凱旋歌
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から何を読み取ったのか、青年は蒼色の称える目元をふっと緩ませ、ひらひらと手を振る。
「心配すんじゃねぇよ。俺は親父みてぇにお前ぇを乗っ取るほどの精神感応力はねぇ。あくまでお前ぇの意識にへばり付いてる虫ケラみてぇなモンだ。お前ぇから消そうと思えば、いつでも消せる」
「…………………信じるよ、キミはいつも僕を救ってくれた。それは絶対に揺るがない事実」
「かっかっか、そぉかい。んじゃまぁ、それはそれとして本題に行くぞ」
そう言い終えるとともに、己の名を狂怒と名乗った蒼い瞳の青年は緩みかけていた表情を引き締めた。
途端に、幼さを残していた雰囲気が跡形もなく消え失せ、ゆらり、と瘴気のようなオーラが立ち昇る。
「お前ぇ、今の状況分かってんのか?死にかけてんぞ」
「………うん」
「うんじゃねぇ。お前ぇは絶対に分かってねぇ。相手はかなりの手練れ、しかも心意も使う。しかもそれが二人だぞ?今のお前ぇの集中力がどこまで持つかは知れねぇが、正直言って旗色はかなり悪ぃぞ」
「………うん」
「お前ぇが望むなら、力を貸してやらんでもないが、そしたら今度はお前の体がもたねぇ」
分かっている。
この局面で、この戦局で、すでに場は詰んでいるのだ。
将棋で今の自分が置かれている状況を例えるならば、四方八方を固められた王将のような状態。飛車も、角も、金将も銀将すらもない。
まさに詰み。
それもこれも、レンの現実を丸ごと犠牲にした修行のせいだ。
自業自得とは、こういう事なのだ。
諦めたように目を瞑るレン。
しかし、その前で狂怒という名の男はにやりと嗤った。
獰猛に。
残忍に。
凄惨に。
「だが、まだ手はあるぜ?」
言った。
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