着けるべきケリ〜
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声。
「あの後思春がいきなりログアウトしてな。取りあえず兄貴を待って病院に行こうとしたんだけど・・・詠とリパルがいきなり人ん家の回線通って人の携帯の中に来て、『嫌な予感がする』って言ってきてな」
「・・・」
「リパルと詠はネットでお前が追われてるのを知ってたからな。目覚めてすぐに外を出歩くって解ってたんだよ。だから護衛係として俺が派遣されたんだ。凄かったぜ?まずお前の携帯のGPSを辿って貰ったら家の前で泣きながらお前の名前を呼ぶ篠崎さんがいてさ」
・・・里香に、バレちゃったんだ。後で謝んなきゃ・・・
「聞けばお前を匿ってて、少し目を離した隙にいなくなったって。あたしがちゃんと見てなかったせいだ。って泣き崩れてたぞ。んで、そっからは病院までのルートを二人に検索してもらって、全力で来たら悲鳴が聞こえたんだ。そこに向かって・・・今に至る」
『気持ちはわかるけど無茶し過ぎッス!』
『でも、間に合ってよかった・・・』
「・・・ごめん、二人とも・・・」
ふと亮がわたしを見て、顔を逸らしながら自分が来てたコートを差し出した。
「・・・とにかく、前隠せ」
ここでわたしは自分の身体を見た。シャツは真ん中を綺麗に割かれていて・・・わたしは、下着をつけてなかった。
「・・・変態」
「男に興奮する趣味はございません」
「身体は女ですが?」
「俺の親友は男です。心が」
コートを着て、亮の肩を借りながら歩くと自転車が会った。
「取りあえず後ろに乗れ」
「・・・2ケツッスか?」
「仕方ないだろ。急がないと」
渋々後ろに乗り、亮に掴まると亮は漕ぎ出した。・・・物凄いスピードで。
「ちょ、亮!?路面凍って・・・滑っ・・・」
「百も承知!飛ばすから落ちんなよ!」
・・・わたしは絶叫マシンに乗ったことはないけど、分かる。これは絶叫マシンよりも恐い。2ケツでドリフトとかなんなんだ。カーブのスピードが直線と変わらないって理論がわからない。だが、代わりにすぐに病院に到着した。再び亮に肩を借りて移動した時・・・ふと誰かがいた。
「あ・・・」
それは車に背中を預け、倒れていた。その男は・・・
「須郷・・・」
数センチ離れた位置にナイフが突き刺さっていて、須郷は白目を剥いて泡を吹いていた。
「・・・状況からして兄貴に返り討ちにあったんだろうな。ま、一発ぶん殴ったから良しとするか・・・」
多分、違う世界ならわたしも亮もコイツを殺したかもしれない。けどこの世界はどんな悪であれ、殺してはいけないのだ。
「・・・」
ふと思った。外史が可能性の塊なら、須郷の目論見が上手く行ってしまう世界もあるんじゃ
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