着けるべきケリ〜
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ってしまう。
「ちっ・・・邪魔をするな!」
亮は右隣に積まれていた鉄パイプを蹴りあげ、左手で掴む。対する男たちは全員ナイフを持っていた。
「時間がないんだ・・・一本で決める」
男が向かってきて、ナイフを突きだす。だが亮はそれを避け、鉄パイプを振り下ろす。
「面!」
ゴキャン!
「ぐぁ・・・」
・・・あっという間に一人を沈黙させる。続く二人目も・・・
「小手!」
手を叩き、ナイフを落としてから・・・
「胴ぉ!」
鉄パイプを腹にめり込ませた。これで、二人。車から出てきたのは四人・・・あれ?亮が対峙してるのはあと一人・・・と、そこまで考えた時、髪を引っ張られ、痛みが走った。
「そこまでだ!」
亮が三人目を打ち倒すと同時にわたしを拘束した男が叫ぶ。
「コイツがどうなってもいいのか!?」
「・・・お前、アホだろ。自分より力がある奴への人質は二人以上で初めて効果が出るんだ。無意味なことは止めろ」
亮が言うが、男の様子はおかしい。
「ど、どうせ失敗したら須郷様に実験道具にされるんだ・・・ならいっそ道連れに・・・」
「・・・っ」
亮の顔が歪む。コイツは本気だ。下手に刺激すればわたしを刺し殺す気でいる。それほどまでに須郷に恐怖を抱いているのだ。
「お、大人しく武器を捨てろ!」
亮が鉄パイプを投げ捨てる。
「よ、よし、動くなよ・・・」
・・・わたしのせいだ。わたしが、足を引っ張った。わたしは掴まれている髪の毛を見た。アスナに憧れて、アスナみたいになりたくて真似をして伸ばした、髪。その真ん中辺りを男は持っている。
「(・・・)」
よく考えれば私服のセンスも、好物も、アスナと同じだ。須郷が言った通り、わたしは“自分”を主張してこなかった。・・・じゃあ、今からやればいい。弱くない、みんなを見返す強いわたしを主張すれば・・・
「・・・っ!」
「な!?は、離せ!」
わたしは男のナイフを掴み、それを髪に近づけ・・・自らの髪を、切り裂いた。
「!?」
男の拘束が解かれ、前のめりに倒れる。亮がそれを見逃す筈がなく・・・
「っ、はあっ!」
ズン!
鳩尾に拳を叩き込んだ。そして亮はまたわたしを抱き抱える。
「・・・ほんと無茶するな。髪は女の命じゃないのか?」
「うる、さい・・・散髪に行く手間が省けた・・・だけ」
そこで気になる事を聞いてみた。
「どうして・・・ここが?」
亮はそれを聞くと笑いながら携帯を取り出した。それを受け取ると・・・
『咲さん!大丈夫ッスか!?』
『ちょっと、ボロボロじゃない!平気なの!?』
「あ・・・」
リパルと、詠の
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