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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十一話 オペレーション・マルスA 〜終幕〜
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料や魔法力も危ない。
これ以上の戦闘継続が不可能であるのは火を見るよりも明らかだった。
「大丈夫なの、美緒。無理をしないで」
「なんのこれしき。ここでへこたれては部下に示しがつかんからな」
魔法力が減衰し始めた坂本も辛うじてまだ飛行可能だった。ミーナは坂本に肩を貸すと、全員を連れて天城へと着艦する。
「ウィッチ隊が着艦するぞ!!」
「防護柵を全部立てろ!! そう、全部だ!!」
「整備班急げ!! 手の空いているものは負傷者の応急処置に手を貸せ!!」
「衛生兵!! 衛生兵――ッ!!」
空母天城の甲板は、野戦病院もかくやと言う混沌が支配していた。自力での航行が不可能になった艦から救助された兵士らが担架に乗せて運ばれ、武器弾薬を抱えて走る整備兵と応急処置に駆けつける衛生兵らがひっきりなしに行き交っていた。
「ミーナ中佐、ご無事でしたか」
「501部隊、帰還しました。いったい何事かしら?」
「はっ!! 杉田艦長より伝令を預かっております。 ウィッチ隊は艦内で休息し、万が一の再出撃に備えよ、と」
それだけ言うと、伝令を預かって来た水兵は再び負傷者の救助へと駆け戻ってしまった。
「わ、わたしも治療のお手伝いなら……!!」
「ダメです宮藤さん。これ以上の魔法力消耗は命に関わります!!」
「離して和音ちゃん!! わたし、行かなきゃいけないの!!」
「落ち着くんだ宮藤。扶桑の海軍は優秀だ。これくらいの事で音を上げたりはしない。今は彼らを信じるんだ」
「坂本さん……わかり、ました……」
ユニットを艦内に格納し、もはや甲板の上から作戦の成否を見守るのみとなった和音たち。
そんな彼女らの前で、大和の機関部からすさまじい駆動音が響きだす。地鳴りかと思うほどのそれは、まさしく魔導ダイナモが起動した合図に他ならなかった。
「おい、大和がネウロイ化していってるぞ!!」
いち早く気がついたシャーリーが大声を上げると、501部隊のみならず作業と救出に追われていた天城の乗員らも全員大和の方を仰ぎ見る。
「なんて兵器なんですの……」
「見ろ見ろサーニャ!!」
「もう見てるわ……」
「これが扶桑海軍の本気と言う事か……!!」
唖然として見守る彼ら彼女らの前で、雄々しく勇壮な大和の船体が黒光りするネウロイのものへと変動していく。機関部から始まったそれは、艦橋を覆い、主砲をも変貌させ、遂に艦首から船尾までを完全にネウロイ化させた。
「これが、かつての扶桑海軍……オペレーション・マルスの本当の姿……」
呆然と大和を仰ぎ見て呟く和音。遥か五十年後の扶桑では、作戦の成功を酷く脚色・捏造した歴史を流布していた。敵の力で勝ったことを隠蔽し、大和が捨て身の砲撃作戦を敢行して辛くも勝利した
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