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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十一話 オペレーション・マルスA 〜終幕〜
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その日のロマーニャは、未だかつてないほど重苦しく張り詰めた一日であったと人々の記憶には残っている。
さわやかな海風はぱったりと止み、蒼く澄み渡っているはずの空には一面薄暗い雲がかかって陽光を遮っていた。祖国奪還に賭ける期待と緊張感が街を支配し、厳戒令の発令されたせいか通りには猫一匹見当たらない。
度重なる戦乱と、奪われた故郷の奪還。
それは、戦火に追われるまま逃げ惑うしかなかった民衆らにとって、忌むべきものでありながらも未来への唯一の希望だった。
――時に1945年7月。
斯くして、ロマーニャ奪還を賭けた最終決戦――『オペレーション・マルス』が発動されたのだった。
「――我々501統合戦闘航空団は、本日現時刻よりオペレーション・マルスに参加します。ロマーニャ奪還を賭けた決戦よ。各員の奮戦に期待します。総員、出撃ッ!!」
「「「「了解!!!!」」」」
日も高く昇った午後。ついに作戦の幕が切って落とされた。
部隊長であるミーナの号令一下、501メンバー全員が格納庫へと殺到する。
「機材の搬出急げ!!」
「予備の燃料と武装も天城に運び込め!! 再出撃があるかもしれんぞ!!」
「連合艦隊が出るぞ……回せ――――ッ!!!!」
部隊創設以来もっとも緊迫した空気の中で、整備班らが奥からユニットを滑走路に運び出す。運びながらエンジン各部を点検し、武装を渡すと次々に発進準備へと入る。
「連合艦隊より入電。501部隊の出撃はまだか、と言ってきています!!」
「直ちに発進すると伝えろ!! ――ミーナ中佐、いつでも行けます」
ベテランの整備班長に促されたミーナは小さく頷くと、後ろに控える隊員らにサインを送る。
部隊全員による全力出撃だ。基地への帰還は考えず、消耗した場合は空母天城に着艦。補給と回復を行い、必要な場合は再出撃を行うことになっている。
どのみち、この戦いに勝てなければあとはないのだ。格納庫に収められていた備品は全て天城へと搬入され、文字通り決戦の様相を呈していた。
「わたし達の任務は連合艦隊旗艦『大和』の護衛です。ネウロイの巣を攻撃可能範囲に捉えるまで、なんとしても大和を守り抜くのよ。――全機発進!!」
瞬間、ユニットの魔道エンジンが一斉に吹け上がり、白煙をひいて滑走路を駆け抜け空へと舞いあがった。夜を徹して行われた整備班の努力が報われ、エンジンはかつてないほど良好な反応を示している。
「ストライクウィッチーズ、行くわよ!!」
「「「了解!!」」」
「艦長、501統合戦闘航空団より入電。艦隊を目視で捕捉、援護体勢に入るとのことです」
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