第九章 双月の舞踏会
第七話 スレイプニィルの舞踏会
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を変えるのを見て、ルイズは戸惑った声を上げる。全体的に身長が低くなったことから、元の姿に戻ったのだろうと思い、ルイズは自分の身体を見下ろすと、やはり同じように元の姿に戻っていた。
教師も戸惑った声を上げていることから、どうやら原因は分かっていないようだ。
混乱した声が辺りで上がる中、ルイズはホールを見渡してみるが、何処にもアンリエッタの姿はない。魔法の効果が切れた今、アンリエッタがいれば直ぐに分かりそうだが、そう言った様子がないということは、ホールにいないということだ。
キョロキョロとルイズがホールを見渡していると、
「あの、すみません」
「え?」
後ろから声をかけられた。
振り返ると、そこにはマントの色からして一年生だろうか、地味な風貌の少女が立っていた。
「その、女王陛下がお呼びです」
「え、陛下が? どういうこと?」
「実はさきほど女王陛下にお会いしまして、ミス・ヴァリエールを呼んできてくれと頼まれたのです。本塔の外でお待ちです」
「外? ……わかったわ。ありがとう」
「いいえ。どういたしまして」
少女に礼を言うと、ルイズは外へ向かうため走り出した。
外で、と言うことは何か周りに聞かれたら困ることでも話すのだろうかと考えながら、ルイズはホールを飛び出す。
アンリエッタが自分に話をしたい……このタイミングで話をするとなれば、その内容は限られている。
「やっぱり……シロウのことかな」
胸に過ぎる小さな痛みに顔を微かに歪め、ルイズは足の動きをほんの少し鈍らせた。
ルイズが開いたホールの扉が閉まる寸前、扉は内側から伸びた小さな手によってその動きを止めた。
先程ルイズに声をかけた一年生の少女だ。
少女は、扉の隙間に身体をすべり込ませると、手を離す。
支えを失った扉は静かに閉じる。
内と外を完全に遮る間際、扉に出来た隙間に覗いた姿は、何時の間にか少女ではなく―――ローブを纏った女性の姿に変わっていた。
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