第九十八話
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「……暇が欲しいのか?」
「……何れはです。今は時期では無いですが」
……成る程な。
「頭の回転が早い司馬懿の事だ。蜀が仲に侵攻した時に言うのかな?」
「……王双殿には敵いませんね。御願い出来ませんか?」
「……理由は?」
「……本当は私、引きこもりなんです。家でずっと本を読んで過ごしたいんです」
……ニートか。
「なら曹操に与していたのは……」
「あれは曹操が私の能力に目を付けて無理矢理軍に入らせたんです。母親は喜んでましたが……」
成る程ねぇ。
「判った。一応頭の中には入れておくよ、ただ……」
「判ってます。本当に暇が頂けるかは難しいかもしれません。ただ頭の中には入れてほしいのです」
「判った」
「ありがとうございます」
司馬懿はそう言って俺に頭を下げた。
「邪馬台国から使者が来た?」
「はい、仲の力を貸してほしいのです」
雪風はそう言っているが……これって邪馬台国が魏に支援を求めたあれか?
年代は忘れたけど、確か鏡とかを邪馬台国に送ったはずだ。
「使者は玉座か?」
「そうです。まだ私も会ってませんが……」
「なら行くか」
俺達は玉座に向かった。
「そうか、狗奴国との対立で味方がほしいと?」
「は、率直に言えばその通りです」
玉座に着くと美羽と邪馬台国の使者二人が面会をしていた。
「あッ!?」
「どうした雪風?」
雪風が不意に使者を見て叫んだ。
「彦五十狭芹彦命様と稚武彦命です」
……誰だ?
「卑弥呼様の弟様です」
「卑弥呼の弟……ってまさか桃太郎のモデルの皇子かッ!?」
嘘だろ……待てよ。てことは……。
「卑弥呼は倭迹迹日百襲媛命なのかッ!?」
「は、はい。そうです」
……マジで?
「そ、それなら卑弥呼の父親は大日本根子彦太瓊尊なのか?」
「そうです」
「……嘘だァッ!!」
思わず叫んだ俺は悪くない。決して悪くない。
「先程から何じゃ長門?」
「済まん……さっきから信じられない出来事が起きて倒れそうなんだ」
俺は美羽にそう言った。だって桃太郎のモデルの皇子だぞ?
しかも卑弥呼の父親は欠史八代の大日本根子彦太瓊尊――孝霊天皇なんだぞ?
なお、欠史八代とは『古事記』・『日本書紀』において系譜(帝紀)は存在するがその事績(旧辞)が記されない第二代綏靖天皇から第九代開化天皇まで
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