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『言霊使いと幻想郷』
第二十五話
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西行寺に向かったが、全て避けられた。

「惜しい惜しい……はッ!?」

 その時、西行寺の周囲に幾つもの札が飛んでいた。

「結界ッ!!」

「霊符『夢想封印』ッ!!」

 そして霊夢の夢想封印が発動した。

「……ちょっと油断しちゃった」

 爆発する瞬間、西行寺はそう呟いて爆発に巻き込まれた……って。

「おま、威力凄すぎじゃないのかッ!?」

「あちゃぁ……やり過ぎたわ」

 やり過ぎにも程があるわい。取りあえず西行寺はと……。

「お、いたいた」

 吹っ飛ばされて気絶していた。まぁ兎に角異変は終わったな。

「よぉし、さっさと帰って宴会するか」

 俺はそう言って気絶している西行寺を背負った。



「……ぅ……」

「お、気付いたみたいだな」

 西行寺を白玉楼(気付いた半人半霊から聞いた)に運んでお茶を飲んでいると西行寺が目を覚ました。

「悪いが異変は終わったぞ」

「……でしょうね」

 西行寺は分かっていたようで苦笑しながら溜め息を吐いた。

「西行妖を咲かせてみたかったわ」

「………」

「咲かないような桜を咲かそうだなんてね……」

「フフ、それもそうね」

 霊夢の言葉に西行寺は何でもないようにそう言った。

「さて、これにて一件落着だぜッ!!」

 霧雨は嬉しそうにそう言ったけど、お前の場合……。

「早く花見をしたいからだろ?」

「まぁそれもそうだけどな」

「……ぇ〜」

 何故か嫌そうな顔をしている霊夢である。

「……フフフ」

 すると急に西行寺が微笑んだ。

「どうした西行寺?」

「何でもないわ。私の事は幽々子でいいわよ」

「そうか、俺も「誠でしょう」……知っていたのか?」

「紅霧異変の時に貴方と一度だけ視線を交わしたのよ?」

「……やっぱり西行寺だったか。どっかで見た顔だと思ってたんだ」

「幽々子でいいわよ」

「悪い悪い。なら……幽々子。これでいいだろう?」

「フフフ、えぇいいわよ」

「………」

 俺と幽々子の会話に不機嫌な霊夢である。

 そして俺達は白玉楼を後にして博麗神社に帰った。

「……一面満開の桜並木だな」

「……そうね誠兄」

 俺と霊夢は宴会の準備をしていた。準備をするのはシートを敷くのと料理を作るだけ。

 料理の材料は異変をした犯人がする役目だな。

「あたい一番乗りッ!!」

「ま、待ってよチルノちゃぁ〜ん」

 準備をしているとチルノと大ちゃんがやってきた。そろそろ皆も来る頃だな。








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