暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
氷の城、第一層
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っているが、アスナの回復魔法ですぐに全快する

そして氷柱の雨が降り止むと、溜まった鬱憤を晴らすかの如く怒涛の攻撃を撃ち込み、あっという間に二本目のHPバーが消えた

ビームも撃ってきたのだが、予備動作が大きすぎてよく見ていれば全く当たらない

威力は凄まじいんだろうが、当たらなければ意味がない

二本目が消えるとサイクロプスが棍棒を掲げて大きく唸る

「また、パターンが変わるぞ! そして、アスナ! シノン! 逃げろ!」

キリトがそう叫ぶと同時にサイクロプスが体勢を低くし勢いよく俺の方へ走ってくる

「はっ!?」

さすがに予想外だったが、加速するのが遅かったのと微妙に距離があったため普通にかわせた
しかし、横にかわした俺には目もくれずサイクロプスはアスナとシノン……後衛の方へ徐々に加速しながら突っ込んでいく

「三段目に突入すると後衛を重点的に狙う突進攻撃を使ってくるんだよ。前回はこれでアスナをやられて全滅した」

回復役がやられてしまうと必然的にパーティは全滅する
相手の攻撃力がこのサイクロプスの様に高いとスプラッシュダメージによる蓄積ダメージでも十分落とされるのだ
事実、今までの戦いで俺を含む前衛メンバーは何度かアスナに回復してもらっている

アスナとシノンが左右に別れて回避しているのを見て俺は一息つくが、リーファが焦ったように叫んだ

「その突進、ホーミングしてくるよ!」

「えっ……?」

かわした直後に弓矢を当てようと考えていたのか、弦を引いた状態でいたシノンは予想外の事態に固まる
その前にはすでに方向転換を終え、シノンに狙いを定めて加速し続ける暴走機関車と化しているサイクロプスの姿があった

シノンは一度回避した直後であり、体勢を立て直すよりもダメージを与えることを選んだため、とても回避をできるとは思えない

「シノン、転べ!」

「っ!」

俺の声に疑問を挟むことなくシノンは弓矢を射るために力を入れていた足から力を抜き、後ろへ倒れていく

……柔道において、なぜ何十キロもある相手を投げられるのか疑問に思ったことはないだろうか?
それは技をかける直前に必ず相手の体勢を崩すからである
最大静止摩擦力係数が動摩擦力係数よりも大きいように止まっているものを動かすよりも動いているものを動かす方がかなり楽なのだ

俺がシノンを転ぶように言ったのもそれが理由である

「キャッ!?」

俺が腕を思いっきり後ろへ引くと、シノンが可愛らしい悲鳴をあげてこちらに飛んでくる
シノンに纏わり付かせていた鋼糸をシノンが空中にいる間に解いて回収した
そして、シノンを両手で抱き留める

「リン、ありがとう」

「礼は後だ。口を閉じないと舌を噛むぞ」

即座に
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