暁 〜小説投稿サイト〜
こぶたのまき
りなの過去1
こぶたのまき
[2/3]

[1] [9] 最後 最初
生とこうしてる私は小さいのだろうか。
「返してやるよ。ほれ」
一人が私の上履きを学校の外に投げた。外は田んぼ。だから投げられた上履きは田んぼへと落ちて行った。
取り返せなかったこと、自分の身長が低いこと、からかう上級生、全てに…すべてに腹が立った。
悔しかった。この時から学校に行くことに恐怖を覚えた。クラスのみんなは可愛がられて楽しそうに
してる。浮いているのは私だけだった。ワクワクしながら入学したことが嘘みたいだ。私にとって楽しいところでも、何でもなくなっていた。
結局私は職員室へ行ってスリッパを借りることにした。
先ほどの状況を先生に話した。当時の私は言葉もよくわからず、説明が下手くそといっていいほど
会話がならないものだった。何とか話すと
「これのこと?」
と袋を渡してきた。見ると中には「秋山」と名前の入った私の上履きが入っていた。
「これです」
私は答えた。話によると、田んぼの持ち主さんが届けてくれたらしい。ずいぶん濡れているため
履くことはできない。
「彼らがやったんだね?先生が話してみるから、秋山さんは安心していいからね。よく話してくれたね」
先生はそう優しく笑って言った。
安心していいからね。その言葉を信じていいのか。私は考えた。先生が彼らに言ったところで彼らが
やめるとは思えない。むしろひどくなるだろう。
そして教室に入った。あと1年我慢すればあの人たちは卒業するから、つらい思いをしなくて済むんだ。
私は心に言い聞かせ、席に着いた。教材を出して机の中におさめそうとしたときだった。
中から何かが出てきた。
「きゃっ」
思わず声が出てしまった。机の中にはたくさんの虫の死骸が入っていた。
誰が入れたのだろう。と、悩まなくてもわかる。絶対の確率であの人たちに決まっている。
何でこんなことをされなければならないのだろうか。私に対してなんの恨みがあるというのだろう。
「秋山さん」
私は先生に呼ばれた。さっきのことだろう。
「彼らに聞いたら、やってませんっていうの。学校に来る途中秋山さんが上履きを振り回しながら
来てましたよ。って。ねぇ秋山さん。どうなの?」
先生は彼らの見方をするのだろうか。なぜ私の言うことを信じてくれないのだろうか。
なぜ彼らを信じるのだろうか。
「6年生のあの人たちがやったんです。本当なんです先生。」
私は訴えた。それでも先生は悩んだ顔をしていた。いくら先生に訴えても結局何も解決のないまま終わってしまった。机の中の虫のことは言えなかった。言っても無駄だと思ったから。
今までのことは自分の勘違いだと思えばいいんだ。そう諦めてもみた。


私は小3になった。
あのことは解決のないまま彼らは卒業していった。小2の時はいじめはなかった。だから私は安心して学校生活を送るこ
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ