第九十二話
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年前の火災は起こるだろうが、それは最悪と言う展開には程遠いだろう」
「…いいえ、そうとは限らないわ。未来は変化する物よ。私達の未来がそうだったからと言って、過去であるこの世界がそう言う結末を辿るとは限らない。いいえ、聖杯が汚染されていないと言う可能性すらある。平行世界と過去への介入は似ているものよ」
「つまり、俺達が此処でどう動こうが、俺達が居た未来は変化がなく、またこの世界がどうなるのかは分からないと?」
「ええ、そう言う事」
「と言う事は、この世界の知人は似ているが非なる存在。この過去の聖杯戦争に積極的に関わるつもりが無いのなら今日中に他の市へと移動した方が良さそうだ。気配を消しては居るが、俺はサーヴァントでイリヤはマスターだ。と言う事は、聖杯を手に入れる権利が発生している」
「つまりチャンピオンはわたし達も狙われるかもしれないって言っているの?」
イリヤがそう聞いた。
「ああ。それと、イリヤ。イリヤの負担は減っているか?聖杯戦争中は聖杯からのバックアップがあるから現界させる魔力も少なくてよかったが、終わった今は違う。10年前のこの地に居る事で聖杯のバックアップは得られたか否か」
「……ううん、無いわ。これは私達が今回の聖杯戦争に選ばれたマスターとサーヴァントじゃ無いからかもね」
「と言う事は戦闘はなるべく避けたい。戦っても簡単に負ける気は無いが、俺は魔力消費が激しいという弱点が存在する。聖杯のバックアップがあればまだ無理も出来るが…」
「聖杯の援護無しではイリヤスフィールの負担が大きくなる。最悪現界させるための魔力すら使い切ってしまうかもしれないと言う事ね」
と凛が纏めた。
過去は変えられない。変えられた過去は既に別の世界なのだ。つまり干渉する必要性すら感じない。
しかし、人間はそうと頭では理解しようと心は別だ。
「まだ、もう少しこの街に居たい…ねえチャンピオン、ダメかな…」
「私も、ちょっともう少しこの聖杯戦争を見なくちゃいけないと思うわ…」
その言葉には彼女達のどんな思惑が隠れているのか…
「俺はイリヤのサーヴァントだ、マスターの指示には従う。イリヤがこの街にまだ居ると言うのなら、最大限イリヤを守るだけだ」
「ごめんなさい、チャンピオン」
彼女達は自分でも危険だと言う事は理解しているのだ、だが過去のしがらみがイリヤをそして凛を此処に縛り付けたのだ。
「いいよ。それよりも、今日は何処に泊まるつもりだ?聖杯戦争にアインツベルンのマスターが参加するならばあの城は使えないだろう」
「お金の持ち合わせなら少しあるけれど、それは使えないわよね…」
「そりゃそうだろう」
凛が持ち合わせは多少有ると言うが、未来の貨幣は使えないだ
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