第九十二話
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」
夜の街を外国人の女性が二人、何かを探して走り回っている。
「何処に行ったのかしら…」
「分かりませんが、あれはアインハルトの長の使いの可能性が高いのでしょう?ならば自身のマスターの所へ戻ったと考えた方が自然でしょう」
「そうかしら…」
「それに、ここでは外国人は目立つ。それなのにこれと言った情報を得られなかったと言う事は自ら去ったと言う可能性が高い」
説得するセイバーだが、それは詭弁。聖杯戦争中の彼女達には雑事にかまけている暇は無いのだ。
今は一刻も早く自分のセーフハウスへと移動するべき時である。
それをアイリスフィールも分かっているのでそろそろ捜索を打ち切る頃合だった。
「そうね…きっと戻ったわよねアリアは」
「はい、きっと」
と見つからない事に言い訳をして彼女達はアインツベルンの居城を目指した。
◇
大橋の近くの公園は閑散としていて、人の目が先ず無い。
凛との待ち合わせ場所へと移動した俺達は先に来ていた凛に遅いと怒られながらも合流する。
どうやら凛の方は30分ほど先に来ていたようだ。
「先ずは此処が何処かの確認をしましょう。あなた達も簡単に調べは付いたかと思うけれど、ここはどうやら十年前の冬木市。それは分かるわね」
コクリと頷く。
「そしてこれが重要なのだけれど、日付を確認するとどうやら今は聖杯戦争中のようよ。私の過去と一緒ならと言う事だけれどね」
「それはわたしも確認したわ。行き成り五騎のサーヴァントがかち合うなんて、私達の時では考えられないわ」
「は?ちょっと待ってイリヤスフィール。それは見てきたような口ぶりね」
「見てきたもの。しかも真名を3人もわかっちゃったし、この聖杯戦争は何処か変」
「…まあその話は後で聞くとして、今重要なのは私達はいわゆるタイムスリップしたと言う事かしら」
「そうみたいね」
「そして帰る手段が無い…」
沈黙が訪れる。
「まぁ、今までの経験上、結構帰る手段は存在するよ。大丈夫だ」
と、俺があっけらかんと言ってのけると凛が激昂した。
「そんな訳有るかっ!これはもう魔法の域なのっ!時間旅行っ!、第五の詳細は全く分からないけれど、私達じゃ到底帰る事なんて無理なのっ!」
「そうか。ならばこの世界でどうやって生きていくかを考える方が建設的だな」
「あっ…うっ…」
アノ世界に未練があるからこそ凛は怒ったのだ。そして意図してこの世界の事を考えないようにもしていたの有ろう。
しかし、今の状況はソレを許さない。
「聖杯戦争も始まっている。アレが俺達の居た未来と同じく汚染されているのなら、きっと災厄を撒き散らすのだろうな。…とは言え、過去は過去。十
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