第九十二話
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ヤから大目に魔力を貰う事になるよ」
「構わないわ」
と了承を得た俺はサーチャーを幾つか飛ばしていく。
物陰に隠れるようにして虚空にウィンドウを開き、移された映像を眺める。
「いつも思うけど、チャンピオンのこういうのって魔術と言うより科学よね」
「まぁ確かにどちらかと言えば科学だよ。ただ、体で生成するエネルギーを使うと言う点では魔術や魔法と言う分類になるのだろうけどね」
さて、無駄口もそこまでだ。
モニタに映る映像に集中する。
すると、やはり聖杯戦争のようで、セイバーがランサーとぶつかっていた。
二本の槍を操るランサーと見えない剣を操るセイバー。
「セイバーってそう言えばアーサー王なのよね」
「そうだね。エクスカリバーを持っていると言う伝説がアーサー王以外に無ければね」
「無いはずよ」
二人の戦いはランサーが宝具を開帳してからはランサー優位に動く。
互いに次が必殺かと思われた時、爆音を上げて乱入する何か。
それは粉塵を巻き上げ、雷光を蹴って飛来した牡牛が引く戦車だった。
その上には大柄の男と、ひょろくてモヤシのような少年が乗っていた。
「………あれ?なんか自分で真名名乗ってるけど?」
「余程自分に自身があるのね。まぁ彼の征服王イスカンダルともあろう者なら当然でしょうけれど」
ランサーはセイバーに宝具を言い当てられ、ケルト神話のディルムットである事も知れている。
これだけ序盤で真名がバレバレって聖杯戦争の基本ルールはまるっと無視ですか…まぁ関係ないから別に良いけど。
さらにライダーが大声を張り上げ、辺りに居たサーヴァントを呼び寄せる。
現れたのはアーチャー…あの姿は忘れもしないギルガメッシュだ。
聖杯の泥を被って性格が捻じ曲がったのだとばかり思っていたのだが、元からあんな性格だったのか…
更にその場に現れる黒いサーヴァント…バーサーカー。
一挙に5騎のサーヴァントが集った事になる。
もはや戦いは二転三転、荒れに荒れた。
バーサーカーがギルガメッシュと交戦し、ギルガメッシュが撤退。その後セイバーに襲い掛かるバーサーカーと、それに共闘してセイバーを倒そうとするランサー。バーサーカーをその戦車で押しつぶして退場させるライダーと混沌の戦いは、互いに引いた事も有り、実際は一騎も欠けることなく終了した。
「アイリスフィールが帰って来るぞ。どうするんだ?」
「リンとの待ち合わせも有るし、行きましょうチャンピオン」
「良いのか?」
「いいのよ…」
イリヤは少し寂しそうに呟くとその場を俺と共に去った。
◇
「セイバー、そっちには居た?」
「いいえ、居ません、アイリスフィール
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