第九十二話
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だのサイコロなんて出すわけ無いじゃない」
うっ…と押し黙る凛。
俺は魔法で球形のバリアを作り出すと、上部だけを穴を開け、そこへそのリスキーダイスを投げ入れた。
「何の目がでたの?」
「どれどれ、って大吉?大吉ってなによっ!このサイコロバカにしてんじゃないの?目が全部大吉じゃない…あ、いや一面だけ大凶があるわね」
憤りながらサイコロを摘み上げた凛がそう指摘した。
「良かった。運は向いてきたぞ」
「そりゃそうでしょうよ、これだけ大吉が有るのだから大凶が出る方が難しいわよっ」
うがーと吠える凛。
「それでそのサイコロの意味はなんな訳?」
「簡単だ。このサイコロは自分の運気を上げる。大吉を出せば賭け事で負ける事は無いだろうな」
「なっ…それじゃ賭け事なんてボロ勝ちじゃない…それはどんな宝具なのよっ!…ああ、いいえ、そう言う事ね」
「どういう事?リン」
「良い?世界は等価交換なの。このサイコロを振って幸運を味方につけた分だけ、大凶を引いたときの厄災はでかくなるんじゃないかしら。ねぇ?」
「そう言う事だ。大凶が出たときには今までの幸運の分だけの厄災が訪れる。最悪死ぬかもしれないな」
だが、これからやる事に対しては絶大な運が必要だ。
「さて、幸運も味方につけたことだし…やりますか」
「やるって何を?」
右手に待機状態から解除したソルを持ち、カートリッジをロードする。
『ロードカートリッジ』
ガシュガシュガシュとフルロード。
薬きょうが6発排出され、この身に魔力が充実する。
「シルバーアーム・ザ・リッパー」
俺の右手が銀色に輝きソルをも包み込み、全てを切裂く権能を与える。
「チャンピオン、それは?」
「ヌアダの輝く右腕。全てを切裂く権能を俺に与えてくれている」
「なっ!?ヌアダですって?ダーナ神属のっ!?」
凛が自分の常識外の事に驚いて悲鳴を上げた。だが、今はそれに構っている暇は無い。
さらに俺はソルに自分の因果を操る能力を付加し、即席に時空間を切り裂く神剣を作り上げた。
「それでどうするの?」
「全てを切裂く能力に、時間の概念を付加させた。今のこれなら時空間を裂く事も可能だろう」
「なっ!?」
凛の驚きの声はもう聞き飽きた。とりあえず今はそれよりも…
「二人とも、俺にしっかり捉っていろ。空間を切裂いて脱出するよ」
「う、うん」
イリヤは直ぐに掴った。
「で、でも切裂いた先が人が生きていける世界だと言う保障は無いのよね?」
「そこでさっきのサイコロだ。運がよければ人が住める世界に出るだろう」
「運って…あー、もうっ!今はそれしか無いわね」
そう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ