同盟議会緊急国防部会
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んでいます。
現状において、統合作戦本部ではイゼルローン要塞制圧および破壊作戦を立てる予定はありません」
ざわつく議場。
たかれるフラッシュ。
強硬派や融和派からは野次や罵声も聞こえる。
ヤンが立てた作戦案が、政治的理由として議場に上がる。
出世欲のある人間ならば晴れ舞台にも等しいこの茶番劇をヤンは覚めた目で見続けていた。
「浮かない顔だね」
後ろの声が、政策秘書の雇い主であるトリューニヒト国防委員に代わっていた。
議長は『静粛に!』と木槌を叩いているが、ここが強硬派も融和派も見せ場なだけあって、少々のざわつきは既に双方から合意を取り付けている。
茶番劇の正体である。
「まぁ、こんな形で名前を出されるとは思いませんでしたから」
「安心したまえ。
出世に響くような事はないと私が保証するよ」
ヤンはトリューニヒトの顔が見れなくて本当に良かったと心の底から感謝した。
多分、ひどい事になっているのだろうから。
議場では、人的資源委員が今後に発生するであろう大規模戦闘における人的損失を説明していた。
「で、こちらが人口から算出される兵員供給データです。
社会負担をかけずに軍事関連に供給できる人間数は人口の5%が限界です。
その為、現在の同盟人口約200億の5%にあたる10億人が同盟軍の最大兵員数となります。
この10億の内、後方部隊を除いて前線に送れる兵力は10%ですのでおよそ1億。
これ以上の損害をこうむると、社会が打撃を受けることになります」
緑髪の彼女達しか知らない原作では、同盟人口は130億だった。
同じ計算をすれば、前線に送れる兵力は6500万でしかない。
そりゃ、アムリッツァの大敗で2000万も失えば国が傾く訳だ。
「一回の大規模戦闘で失うだろう人員の最大総定数を100万と仮定した場合、侵攻準備に四半期の準備期間が必要になります。
その為、年三回の大規模戦闘で300万の損失を想定。
これに定年退職者などを含め、同盟軍は年1000万の人間が常に補充されないと戦力を維持できないでしょう」
人的資源委員の説明を聞いてヤンは頭が痛くなる。
年間1000万の人間が何も生まない軍関連の人員に消費されるのと同義語だからだ。
そして、この1000万という人間の数は、中規模星系政府の総人口に匹敵する。
だからこそ、この茶番劇はその終幕に向かって加速する。
「現在、アンドロイド及びドロイドが400万体存在し、この補充を補っています。
更に、AI搭載艦船を計画しており、このAI搭載艦船だと人員は通常の半分にまで減らせます。
艦隊編成をこのAI搭載艦に一部置き換えた場合、人員は100万をきる事ができます。
消耗
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