星屑の覚醒
1 出会い
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うな声で言った。
彩斗は学校でいじめを受けていた。
本来ならこの孤児院の教育を受ければいい。
しかし彩斗は外の学校に通っていたのだ。
理由は簡単で施設の『外の世界が見てみたいから』。
基本的にこの施設の孤児たちは、この施設で育ち、決して外の世界に触れること無い。
広すぎる庭に退屈しないだけのゲームなどの設備、運動用の体育館。
キング財団の支援のもと、設立されたデンサンシティでナンバーワンの養護施設だった。
「うん、行くよ。今はちょっとデンサンシティの治安が良くないだけさ。きっと...本当はいい街なんだ...」
彩斗はこれまで信じられないくらいの暴力を受けてきた。
デンサンシティの治安はここ数年で一気に悪化した。
それによって街中では犯罪が増加した。
警察や議員たちによる汚職、学校でのいじめなど様々な影響がある。
だというのに街はまだ大丈夫だと信じていたのだ。
既に心も体もボロボロで、もう心も壊れかかっていると言ってもいい。
それでもなお、幼い心で全てを受け入れていた。
メリーは心配だった。
彩斗が朝に弱くなったのはいじめが始まった時とほぼ同時期だ。
身体や心へのダメージが大きく、もう身体に限界が迫っているのではないかと。
彩斗は再びエレベーターで1階の玄関の方へ進んでいく。
これから登校する。
そして玄関には自分を送り迎えする人間がいた。
「遅いわよ」
「ごめんね。ちょっと寝坊した」
そこには身長170センチメートル程の女性が立っていた。
スーツ姿にピンク色のメッシュの髪にランボルギーニ・ガヤルドなどというスポーツカーを備えた切れ長の目が印象的な美人だった。
『ハートレス』。
このビルのような孤児院の創設者であるMr.キングの側近にしてキング財団を表向きに統括している。
彩斗は銀色のガヤルドの助手席に腰掛ける。
そしてハートレスはエンジンを掛けると、一気にアクセルを踏み込んだ。
海岸沿いの施設から道路に沿ってガヤルドは電気自動車となっても独特なエンジン音を立てながら加速していった。
「ウゥ...」
彩斗は腹部から胸部にかけて鈍い痛みが走ったのを感じて僅かに声を漏らした。
そしてハートレスはそれを聞き逃さない。
「前から気になってたけど、あなた...いじめられてるんじゃない?いくら喧嘩が好きでも、明らかにそれはフルボッコって感じよ?」
「僕が吹っ掛けに行くほど好戦的に見えるかい?」
「いいえ?でも仮にイジメられていてもあなたは絶対に口を割らないでしょうね?」
彩斗は全てを見透かされているようで少し気分が悪くなった。
外の景色も徐々にビルやアミューズメント施設が建ち並ぶ、デンサンシティの街並みへと変わっていく。
「君は僕をどうしたい?無理にでも学校を
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