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最期の祈り(Fate/Zero)
Mission Kiritsugu U
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って即興で考えたんですよ!」

 高度2500フィート
 「すると何か!?貴様はその場で考えた作戦に人を付き合わせたのか!?」
 「それが一番効率良かったんですよ!それを悪辣となじるなら大いに結構!正義で世界は――」
 「待て!そのセリフはここで使うのは何か致命的に間違っている気がする!」
 
 高度2000フィート
 「少し冷静になろう。私たちはまず冷静になる必要がある」
 「それには賛成です。ではまず……」
 「ああ。遺書を書こう」

 高度1000フィート
 「しまった!紙媒体では遺書が残せない!」
 「そもそも何か残るんですか!?」
 今になって漸く冷静に戻る二人であった。
 「本当にどうするんですか!?さっきから警告のランプが真っ赤になっているのですが!」
 「遺書なんか書くんじゃなかった……」
 『愛する一夏へ』という文字が悲しく滲んでいた。
 「その後悔は助かった後に言って下さい!さあ行きますよ!」
 「行くって、どこへ?」
 もう達観したように言葉を紡ぐ千冬。
 「壁をぶち破って脱出する!一応これもISだ。多分きっとどうにかなる筈!………多分」
 「はあ……もうどうにでもなれ」
 そう言うと、二人は普段は地上で開け閉めするためのハッチに向かっていった。ドアを蹴破り脱出するための経路を確保する。片手にはエムがきちんと抱かれている。
 「僕のカウントに合わせて飛び降りますよ」
 「ああ、解った」

 足がすくむが、必死に現実を見る。

 右手にしっかり千冬の手を握り、左手にはエムを抱える。

 ISが起動している事を最後に確認して

 お互いの顔を見て

 「ああ、帰ったら、うんと一夏を甘やかすんだ……」
 「僕はね、正義の味方に為りたいんだ」

 

 最後に死亡フラグを立てやがった。



 結果的に言うなら、切嗣の作戦は成功した。当面の敵は排除し、手に入れなければならないものは手に入れた。
 しかし、落下する最中、彼はある疑問を抱いていた。
 (アイツは最後に黒幕の存在を否定しなかった。言い換えれば、アレは所詮尻尾に過ぎないという事か。しかも、今回の計画の杜撰さを考慮するなら、どう考えても使い捨ての駒扱いだ。仮にも秘密結社の首領を?)
 有り得ない。彼がなりふり構わず対策すれば、全て潰す事の出来た程度の計画。それを自信満々で実行するとすれば、余程の馬鹿か使い捨ての末端か。
 (だとすれば、直ぐでも第二第三の攻撃が……)
だが即座に否定する。一番効果的なのは、熱さが過ぎ去った直後を叩くことだ。時間的には多少の余裕はあるだろうと判断する。
 なら、一番に対処すべきは………
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